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まいぷれ五・七・五

「無人駅句会」2021年8月だより

 2021年8月の「無人駅句会」は9名が参加しました。今回は東氏が選句した9句の俳句をご紹介いたします。

(撮影:和夫)

ラの音ください青田風のはじまり         和夫

 ドレミの音階の中で、「ラ」の音が一番透明感があり爽やかである。「ラ」の音は楽曲の音合わせをするときの音でもあるのだ。青田風のはじまりに「ラ」の音から流れるとは、オペラ歌手の声を聞いている感覚に陥りそうな。青田風の軽快さが「ラ」の音そのものだということであろう。季語「青田風」(夏)。

籐椅子にエマニエル夫人の憂い          日暮屋   

 籐椅子のエマニエル夫人は、嘗て時代を風靡した映画のポスターそのものだが、どことなく郷愁感が漂う。時を経てなお、その籐椅子に、憂いある気配を感じているのか。今なお、センセーショナルな映画であったと納得するばかりだ。季語「籐椅子」(夏)。

花柄の小包炎暑の京都より            熊本妙子

 小包の包装紙が花柄であったのだろう。花柄とはいかにも京都らしい。炎暑の中、一服の清涼剤となったか。はたして小包の中身は何だったのだろうか。京都と言われると不思議な安堵感があるから不思議だ。季語「炎暑」(夏)。

朝採れのゴーヤ百円にて買う           東隆美

 農家の畑の近くなどに、朝採れ野菜の無人販売所をよく見かける。大概が百円である。空き缶などの料金箱があって、百円玉を入れるとコトンと音が返ってくる。時には悪い奴がいて、一円玉を入れたりとか、はたまた入れた振りをするやからまでいるそうな。情けないなあ。ゴーヤよ怒れ。季語「ゴーヤ」(秋)。

青嵐ひと駅ごとに拾う客             岡田敬子

 青嵐は青葉の頃に吹くやや強い南風。都会ではないローカル線だろうか、ローカル線だと大方が無人駅である。やや風を気にしながらプラットホームに客が一人二人と駅ごとに立っている。濃い緑と日陰、静かな夏の時間がながれている。季語「青嵐」(夏)。

消えるまでは一人の時間虹の空          岡本哲典

 なかなか大きな虹を見る機会もないが、そう言った虹に出くわすと何時までも眺めていたい気分になる。そこにはゆったりとした一人の時間が流れているのだ。昔が思い出されているかもしれない。忙しすぎる現代人への警告として捕らえるか。余談だが、僕は嘗て大きなニ連虹を見た事がある。写真に収めたが、はたしてその写真はいずこに。季語「虹」(夏)。

向日葵の首うなだれて止まれり          曾田幸二

 向日葵の元気に咲いている姿は気持ちがいいが、花期を過ぎてびっしり種の状態となり萎れると、花としての一生を貫いた感がある。首うなだれて止まる、とは、言い得て妙である。季語「向日葵」(夏)。

夏風邪の波にさらわれ眠りけり          河野けいこ

 夏風邪は長引くと言われる。高熱ではないのだろうが、薬の加減で軽いめまいがあったり、眠くなったりする。うつらうつらしていると、やわらかい波に誘われるかのように知らぬ間に眠りへと誘われる。ある種官能的な神秘さがある。季語「夏風邪」(夏)。

木漏れ日に水が匂って巴里祭           東英幸

 巴里祭は、フランスの革命記念日7月14日のことであり、フランスの建国記念日である。また、巴里祭は日本だけの呼称だとか。朝の夏の陽射しに木の葉は影を濃くし、その間から洩れくる日には潤いを感じる。そこに水が匂ってくるという感覚はあると思う。どことなくパリの広場を伺っているのだ。季語「巴里祭」(夏)。

(東英幸 記)

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