地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、川崎の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

川崎の地域情報サイト「まいぷれ」

知っててよかった! 就職活動のサポート機関

NPO法人 ぐらす・かわさき

コミュニティビジネスをやってみませんか

2011/12/19

コミュニティビジネス起業を支援するNPO法人 ぐらす・かわさき

かつては家族や親族のつながりが強く、近所のつきあいも大切にしながら、内輪で助け合って暮らしていました。しかし今ではそんな関係は薄れていく一方。相談する人もなく、病気・高齢・介護・子育てに一人で悩む人が増えています。ボランティアの奉仕だけに頼っていては、継続的に質の良いサービスを行なうことは困難になり、採算性のあるビジネスとして起業することが求められています。このような困っている人を助ける社会貢献に関する事業を「ソーシャルビジネス」と言います。そのうち、地域の課題を解決するものが「コミュニティビジネス」。仕事に対する価値観も変わり「収入を重視するのではなく、やりがいのある仕事をしたい」人が増えている今、住民が、自分の地域の問題を経済マネジメントの視点で解決する新しいビジネス・スタイルに、ますます関心が高まっています。川崎市から委託を受けて、話題のコミュニティビジネスを支援する「ぐらす・かわさき」を訪ねて伺ったお話をまとめました。

こんな仕事をしています

1 「遊友ひろば」の運営
「子どもに食べさせたい健康料理」や「絵本を使ったリトミック」など、お母さんと子どもが一緒に参加できる『親子ひろば』と「歌声サロン」や「健康麻雀サロン」など、誰でも楽しめる集りを開催しています。スペースを趣味のサークルや市民活動の勉強会、パーティーなどに使うこともでき、2時間1.500円(会員は1.000円)で貸し出しています。
体と五感を使って、
音感・リズム感を育てる<br>音楽教育、リトミック講座。
体と五感を使って、
音感・リズム感を育てる
音楽教育、リトミック講座。
母と子のアロマ・マッサージ講座。赤ちゃんも<br>気持ちよさそう。
母と子のアロマ・マッサージ講座。赤ちゃんも
気持ちよさそう。
2 コミュニティビジネス起業・就業の支援
2006年から、川崎市の「コミュニティビジネス振興事業」を受託して運営。コミュニティサロン「遊友ひろば」の運営手法を生かして、コミュニティビジネスを立ち上げたい方や、スタッフとしてNPOや会社で働きたい方の相談に応じたり、講座や交流会を開いています。川崎市が行なっているコミュニティビジネスサポートについては、こちらをご覧ください。
http://www.city.kawasaki.jp/28/28kikaku/seisaku/kawasaki_cb/CBindex.html
どんな相談にも親身になって応じて<br>くれます。
どんな相談にも親身になって応じて
くれます。

コミュニティビジネス相談
★起業相談 
「子育てや介護の経験を役立てたい」「空き店舗はないか」「地元の野菜を使ったレストランを開きたい」など相談の内容はさまざまです。時間と資金があって何かやりたいという方が多く、希望が多いのは飲食関係のプロジェクトや、多目的に使えるコミュニティスペースの開設。相談の内容に応じて、支援メニューを提案しています(他団体へのインターン、講座・セミナー・交流会、補助金・助成金・融資など)。NPOの運営方法についても、相談に応じます。税理士、弁理士、中小企業診断士などの専門家を紹介することもあります。
仲間もいないし、リサーチもしていない。事業計画書も作成していないが、漠然とやってみたいと思っていらっしゃる方に対しては、まずじっくりお話を伺います。想いを話してみてください。やりたいことのイメージが固まったら、事業計画書作成に必要な情報の集め方などをアドバイスします。

すでに綿密に計画して準備が整い、あとは起業するだけという方には、具体的にアドバイスをします。併設の「遊友ひろば」で試しにやってみては、と提案することもあります。親子で参加するプロジェクトの場合は、「親子ひろば」で毎月行なうたくさんのイベントに組み込んで、参加者を募って実験的に行なうことも可能。起業後に運営方法で悩んでいる方、ネットワークを広げたい方の相談にも応じています。

★就職相談
自分で会社を始めるのではなく、コミュニティビジネスを行なっているNPOや会社に就職したい方には、どんな形態で働きたいのかを伺います。有償ボランティア、フルタイム、パートタイムと、それぞれアプローチの仕方が異なります。NPOを支援する中間支援団体の案件が比較的多いのですが、収入面を重視すると難しいのが現状です。まずどこかでボランティアをやってみては、とアドバイスしています。そこで経験を重ねるうちに「うちで働きませんか」と声がかかるパターンが多い。「ぐらす・かわさき」には、川崎市の数多くのボランティア団体情報が集まりますから、いろいろな分野の募集状況に答えることができます。
起業を目指す人に必要なポイントがぎっしり<br>詰まった講座はいつも大人気。
起業を目指す人に必要なポイントがぎっしり
詰まった講座はいつも大人気。
起業講座
起業のノウハウを学び、仲間や協力者と出会う機会もできる講座を開いています。同じ志をもつ仲間と学ぶと刺激を受けて励みになります。

2011年7月〜9月には、14回連続講座「社会を変える!ソーシャルビジネスゼミナール」(無料)を開催。川崎市の協力のもと、公益財団法人企業が支援財団からの委託を受け、4部構成の充実した内容で、ソーシャルビジネス立ち上げと運営のノウハウや情報を伝授しました。講座修了後も起業サポートを受けることができますし、受講生のつながりが広がる利点もあります。
2011年7月〜9月の講座内容:
・講義(コミュニティビジネスを含むソーシャルビジネスの広報戦略、資金・会計の基礎知識、川崎市の融資・助成金の紹介、プレゼンテーションの方法など)
起業家交流(講座の講師との交流)
・演習(事業計画書シートなどの作成)
・インターン(職場体験)

起業家交流会
起業を目指す方や、立ち上げて日が浅く不安がある方が対象。コミュニティビジネスで成功している先輩から話を聞いて、課題を話し合い、つながりを広げる場です。他の人のアイデアを参考にすると、自分のプランが膨らみます。起業講座修了生や、以前相談にいらっしゃった方も誘って、たくさんの人が参加できるようにしています。

2011年度に川崎市から委託を受けた交流会は3回。そのうち2回が終了しました。1回目はコミュニティカフェ「カフェマイム」の起業家、2回目は地域情報季刊誌「多摩人」を発行している株式会社センストンの取締役を招いてお話を伺いました。

次回は2012年1月14日(土)13:00 〜15:40多摩区役所 601会議室で行ないます。
テーマ:「住宅の課題を解決するコミュニティビジネスを考えよう」(無料)
講師:明治大学 理工学部教授 園田眞理子さん
主催:川崎市
申し込み受付:NPO法人 ぐらす・かわさき

コミュニティビジネス調査
コミュニティビジネスを行なう川崎市のNPO法人や株式会社を調査して、2冊の報告書を作成しました。巧みなビジネス展開のヒントになります。起業講座のテキストにも使用しています。

『川崎市におけるコミュニティビジネスの育成に関する調査報告書』
(2008年 専修大学 社会知性開発研究センターから受託して作成)

『人とまちを元気にする仕事 30事例集』
(2011年 川崎市から受託して作成)

たちばなブランド創出推進事業
高津区たちばな地区に、食を通じた地域交流拠点をつくりました。地域の魅力を再発見し、食と農を通じて高津区民のつながりを広めています。質の良いキャベツ・トマト・白菜などの農産物をたくさん栽培して、地域ブランドづくりを推進。地産地消と、野菜をもっと食べようという呼びかけが高まっている今、地元の農産物が買える場所や流通のしくみをお知らせしたり、気軽に農業を体験できる試みに取り組んでいます。野菜をベースにしたお菓子などの商品開発、直売所のマップづくり、農家のみなさんと一緒に農作業を楽しむ「援農」なども行ないながら、この事業がコミュニティビジネスのモデルになることを目指しています。

広報誌「ぐらすレター」
年に10回ニュースレターを発行して、「ぐらす・かわさき」の活動報告、市民活動の情報、会員の投稿などを掲載しています。他団体のボランティア募集情報が出ることもあり、まずボランティアでやってみたい方は、こまめに目を通しておくとよいでしょう。

こんな事例があります

コミュニティビジネスの分野はさまざま。地域の課題に気づいたら、それがビジネスになる可能性を持っています。運営形態もNPOだけでなく、株式会社や有限会社を選ぶことも可能。数多くの事例の中から、川崎市の例4件と、県外の例1件を紹介します。

事例1 NPO法人 たすけあい多摩(多摩区)
主な事業:介護保険事業、保険外介護、家事援助
仕事がある日に子供が熱を出した時、親が倒れて介護が必要になった時、掃除・洗濯・買い物・赤ちゃんの見守りなどを頼みたい時などに利用

事例2 NPO法人 川崎市民石けんプラント(川崎区)
主な事業:リサイクル石けん工場運営。廃食油の回収と石けんの製造販売
つくられた石けんは、川崎市内の小学校116校中103校で使用

事例3 NPO法人 らんふぁんぷらざ(幸区)
主な事業:発達障害児と保護者の支援・啓蒙活動
造形ワークなどを通して、児童が学校と社会になじめるように、楽しみながら学べる場を運営

事例4 川崎ビル美装株式会社 カフェ事業部(カフェマイム)(幸区)
主な事業:コミュニティカフェ運営
ダイニングカフェ・ボックスショップ(手作り作品を販売できる「マイショップ」)・貸しギャラリー「マイサロン」・貸しスペース

事例5 株式会社 マイファーム(京都府・東京都)
主な事業:耕作放棄地再生・農家支援・農業コンサルティング
使用していない農地をリメークして体験農園をつくり、「自産自消」(自分でつくったものを自分で食べること)を推進

その他、シニア向けの超初級パソコン教室、市民の資金で立ち上げた保育園など、起業する人の視点の数だけ、ビジネスがあります。

事務局の声

フェアトレード商品の輸入販売と、青年海外協力<br>隊員の経歴を持ち、途上国支援にも詳しい田代さん。
フェアトレード商品の輸入販売と、青年海外協力
隊員の経歴を持ち、途上国支援にも詳しい田代さん。


NPO法人 ぐらす・かわさき
事務局長
田代 美香さん
人生は一度だけ。失敗を怖れずにやってみましょう。
「地域にはいろいろな課題があります。子育て、買い物、教育、環境など、たくさんの問題を解決するには市民活動やボランティアだけでは不十分。継続と安定を確保するためには、ビジネスの視点が必要です。行政だけで解決することも難しく、景気の低迷からなかなか抜け出せない今、地域の課題は増える一方。市民が自ら事業を立ち上げて、解決することが求められています。

コミュニティビジネス成功のキーワードは、仲間と情熱。ひとりでできるものではなく、協力してくれる人が不可欠です。困難にぶつかってもモチベーションを持続させるためには、何がなんでもやりたいという熱い想いと強い意志もなければなりません。経営面でも工夫が必要です。利益を出しにくい事業は、複数の収入源を確保する多角経営で改善することがあります。

「ぐらす・かわさき」も、新しいプロジェクトを構想中。たちばなブランド推進事業の新しい展開を進めています。現在、高津区からの委託事業として行なっているこのプロジェクトは今年で終了しますが、3年間で農家の方々と密接なつながりができました。たちばな地区でとれた野菜を移動販売したり、地域でつくったお菓子や野菜のスイーツをイベントで販売する、ファーマーズマーケットを開催して、着実に実績を重ねてきました。これを新たな立地で継続するために、現在物件を探しています。

主な事業は、地元の食材を使ったオープンキッチン型レストラン運営。ワンディシェフ 形式で毎日シェフが変わり、月曜日は中華、火曜日はインド料理、といった多彩な日替わりメニューを楽しめる、斬新な展開を考えています。このスペースを、飲食店のコミュニティビジネスを始めたい方に提供したい。飲食店経営には、設備投資に高額な資金が必要ですが、お金がなくてもここで練習して、試しにやってみることができます。腕を磨いて固定客をつかんだら、店をもつことも決して夢ではありません。

レストラン営業以外の時間帯には、水まわり設備を利用してお茶、染め物、書道などをやりたい方に使っていただいたり、起業講座を開くなど、いろいろなことができるスペースにしたい。コミュニティビジネスを広げる場をつくり、地元でつくったものを地元で食べる「地産地消」推進を目指しています。

相談にみえるたくさんの方々が、長い間夢を持ち続けています。「定年になったらやろう」「子育てが一段落したらやってみよう」など、「いずれ」「いつかは」と先のこととして漠然と考えていらっしゃる方が多い。思い切って、温めてきた夢を一緒に実現させましょう。コミュニティビジネスで生きる選択肢もあるのです。石橋を叩いて叩いて、結局渡らないのは残念です。失敗を怖れていては何も始まりません。失敗しないように綿密な計画を立て、売り上げ支援や資金支援のアドバイスをいたします。一度限りの人生です。一歩踏み出して、ぜひ夢をかなえてください」
田代さんと同様、塩沢さんも仲間の大切さを<br>強調されていたのが印象的でした。
田代さんと同様、塩沢さんも仲間の大切さを
強調されていたのが印象的でした。
NPO法人 ぐらす・かわさき
スタッフ
塩沢 和美さん


「地域の人間関係を大切にしてください。地元に密着したビジネスを行なうには、応援してもらえる仲間づくりが不可欠です」

登戸の商店街にあるオフィス。最寄り駅は<br>小田急線 登戸または向ケ丘遊園。
登戸の商店街にあるオフィス。最寄り駅は
小田急線 登戸または向ケ丘遊園。

NPO法人 ぐらす・かわさき

〒214-0014
神奈川県川崎市多摩区登戸2258 ハウス911
TEL 044-922-4917
FAX 044-922-4919
URL http://www.grassk.org/

お問い合わせ

株式会社フューチャーリンクネットワーク(TEL:047-495-0635)
川崎市経済労働局労働雇用部(TEL:044-200-2276)

お問合せフォーム