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技連協活動レポート

第32回かわさき市民祭り

川崎市技能職団体連絡協議会(技連協)が活動をアピール

川崎建築高等職業訓練校のみなさんが作業風景を披露(2日目)

川崎建築高等職業訓練校のみなさんが実際の作業風景を披露しました。
川崎建築高等職業訓練校のみなさんが実際の作業風景を披露しました。
2日目は川崎で唯一の大工学校、川崎建築高等職業訓練校のみなさんが実際の作業風景を披露し、来場者の注目を集めていました。同校は木造建築科のみの2年制です。現在16名いる訓練生は普段は工務店に勤務するなどして現場に携わっていますが、より高い専門知識を習得するために土曜日だけ同校で訓練を受けています。
「四方転び」の踏み台。大工さんの総合的な力量が問われる基本的なものです。
「四方転び」の踏み台。大工さんの総合的な力量が問われる基本的なものです。
この日に実演したのは1枚のラワン材から「四方転び」の踏み台を最初から作る作業です。四方転びとは4つの脚が中心に向かってそれぞれ傾斜しているもののことですが、大工さんの総合的な力量が問われるものです。この9月に米子市で行われた若い大工さんが日頃の訓練の成果を競い合う全建総連第25回青年技能大会の競技種目も、この四方転び踏み台の製図と組み立てを6時間以内で完了させ、その出来栄えや作業態度を審査員が評価するというものでした。
脚が床に付く部分を斜めに削り「勾配」を付ける作業は複雑な計算も必要とするかなり難しい技です。
脚が床に付く部分を斜めに削り「勾配」を付ける作業は複雑な計算も必要とするかなり難しい技です。
特に脚が床に付く部分を斜めに削り「勾配」をつける作業は、昔から大工さんの基本的技といわれていて、素人目には簡単なようでもかなり難しい技量を必要とします。技対部長でご自身も熟練の大工さんの齊藤知義さんによると、
「図面上では四角い部分ですが、そこを削って勾配をつける技は、経験年数でいうと5年ほどでうまくできるようになるかどうかといったところでしょうか」
とのことです。
墨付けに従って最初ノコギリをいれ、その後切り口を整えます。
墨付けに従って最初ノコギリをいれ、その後切り口を整えます。
1枚のラワン材からすべてのパーツを作り組み立てます。
1枚のラワン材からすべてのパーツを作り組み立てます。

職人が教えるノミの使い方

齋藤さんが日曜大工などを趣味とする人のためにノミの使い方をアドバイスしてくれました。
ノミは垂直に持つのが基本。まず穴をほる範囲にノミを軽く叩いて印をつけ、それから掘っていきますが、掘る場所を移動する際、木材の表面からノミを離さないことがきれいな穴を掘るためのポイント。すり足で歩くときのように木材の表面からノミを離さないで転がすように掘っていく要領です。最初は全体を軽く叩いていき、最後に強く叩くと内部の木の屑が「我慢できなくなって」自然と外に出てくるそうです。後は内部をきれいにします。この方法だとあらかじめ墨などで印をつけなくても上手に掘れるようになるとのことです。
ノミは垂直に立てるのが基本。最初、ノミで掘る範囲に印を付けます。
掘る場所を移動する際、木材の表面からノミを離さないことがきれいな穴を掘るためのポイント。
最後に強く叩くと内部の木の屑が「我慢できなくなって」自然と外に出てきます。
ノミなどの道具はすべて自分で研ぐということです。
「ノミを研ぐ角度は30度くらい。しかし、それぞれの癖があるので個人で多少違ってくる。親子で大工をしていても自分の道具は貸すものではない」
と齋藤さんが教えてくれました。
技連協の話では、どのイベントでも大工さんの実演コーナーはたいへん人気があるとのことですが、当日も大勢の人が訓練生の作業を熱心に見つめていました。