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かわさきマイスター活動レポート

第30回 宮前区民祭

提供:川崎市
~小さな手大きな手 みんなで築く宮前区~
というキャッチフレーズが掲げられた第30回宮前区民祭が、2011年10月16日(日)、北部市場にて開催されました。今年は東日本大震災の復興支援として、チャリティーボックスの設置や東北地方の物産などの出店もありました。毎年20万人以上が訪れるというこのイベントに、今年も4人のかわさきマイスターが参加されました。

当日、実演・展示として出展したマイスターは、石井一夫さん(刃物研ぎ・鋸目立て)、内海正次さん(寝具技能士)、都倉正明さん(フラワー装飾)。また、チャリティ企画として吉田義一さん(農業・花卉生産)が、色とりどりの花を配布されました。

石井 一夫さん (刃物研ぎ・鋸目立て)

石井さんは家庭用の刃物はもとより、大工、建具、調理、植木、洋服仕立てなど各種の技能者が使う刃物を研ぎ、見事な切れ味を蘇らせることのできる、刃物研ぎ・鋸目立ての分野で認定されたかわさきマイスターです。

石井さんは、その刃物を使う人を見て研ぎ方を変えます。例えば、包丁は年配の方が使っているとわかれば、軽い力でもよく切れるように薄く、逆に若い人が使っている場合は力があるため薄い刃だと刃先がすぐに痛んでしまうので、調整をするそうです。
また、はさみは布を切るものと髪の毛を切るものは全然違います。
機械も使いこなせてこそ「いい仕事」というものだ、と石井さん。
機械も使いこなせてこそ「いい仕事」というものだ、と石井さん。
使う人、用途によって研ぎ方を変えます。
使う人、用途によって研ぎ方を変えます。
砥石の種類も使い分けをします。
砥石の種類も使い分けをします。
ビフォーアフター
ビフォーアフター
リベットもぴかぴかに磨きます。
リベットもぴかぴかに磨きます。
まるで新品のよう。
まるで新品のよう。
この日は一般の方から持ち込まれたはさみや包丁などの刃物研ぎの実演をしていました。
他のところに研ぎを頼んだけど全然切れなくなってしまったという方も、お客様としていらっしゃっていました。

★石井さんの詳しい紹介ページはこちら

内海 正次さん (寝具技能士)

内海さんは寝具製造暦60年、冨田屋(とんだや)流の技能を持ち、使う人の年齢によって綿の重さを変えたり、身体の不調に合わせて綿の厚さを変えたりするなど、お客様のニーズに合わせた布団作りをしている、寝具技能士の分野で認定されたかわさきマイスターです。

既製品の多くは化学繊維を使っていますが、「ふとんのうつみ」で製作しているふとんは綿100%です。木綿のわたは吸湿性・保湿性に優れ、復元力に富んでいます。また、寝返りを打ちやすい適度な硬さと弾力があり、敷布団・掛け布団それぞれに適した産地の綿を使い分けることで、「心地よい安眠」につながる布団を提供することができます。
丁寧な説明をされる内海さん。<br>みなさん安眠できる布団に興味津々。
丁寧な説明をされる内海さん。
みなさん安眠できる布団に興味津々。
ミニチュアサイズの布団の展示
ミニチュアサイズの布団の展示
ミニ座布団は携帯電話置きにも活用できます。
ミニ座布団は携帯電話置きにも活用できます。
お好みの柄を選んでいます。
お好みの柄を選んでいます。
布団に綿を均一に入れるというのは、簡単なようですが、熟練した技術が必要です。その技は、布団だけでなく、座布団や枕などにも生かされています。

この日販売されていた亀や梅花、ダイヤなどの形をした「変型ざぶとん」はその高度な技術があってこそ作ることができます。実用的な座布団から、インテリアとしても面白い変型座布団まで、多くの来場者が購入されていました。また、こういうイベントに出展していると、1度購入してくれたお客様が声をかけていってくれるのも嬉しい、と内海さんもお話されていました。

★内海さんの詳しい紹介ページはこちら

都倉 正明さん (フラワー装飾)

都倉さんは、98世界らん展フラワーデザイン部門で最優秀賞に輝いた実績をもつ、フラワー装飾の分野で認定されたかわさきマイスターです。自己研鑽に余念がなく、展示会や生花の展覧会などに行き、自分で見て勉強することを今も続けています。昔は作り方1つ教えてもらえることはなく、見て覚えろと言われてきました。何でも教えてもらうのではなく、自ら学んでいくことが大事だといいます。都倉さんは勉強のために、世界各国を回ることもあります。世界に行くと日本の生花の評価が高いことがわかります。外国のものがいい、ということではなく、いいものを取り入れていく、何事も勉強と話してくださいました。
今業界で花を贈ろう運動を実施しているそうです。男性から女性へ、女性から男性へ。プレゼントでお菓子を贈るのもいいけれど、お花をもらうとやはり違いますよね。
都倉さんはちょっとした会話の中でお祝い事があると知ったときに、相手にお花を贈ってあげたりするそうです。相手は驚いてとても喜んでくれるそうです。

今年は気候の関係で、花の値段も上がっていますが、区民のみなさんには大サービスとのことで、アレンジメント1000円、花束300円で販売。その売上はチャリティとして寄付されました。

★都倉さんの詳しい紹介ページはこちら

吉田 義一さん 農業(花卉生産) 

吉田義一さんは、花卉生産農家の3代目として早くから家業を継ぎ、花桃を中心とした枝ものや切り花の生産に携わってきました。作業の効率化・軽労化による生産量拡大を可能にし、農業後継者の育成・就農促進にも力を注ぐなど、技術や姿勢が高く評価され、平成21年には全国で28名、神奈川県で唯一の「農業技術の匠」として農林水産省から認定され、平成21年度に農業関係者としては初めてかわさきマイスターに認定されました。

今回のお花は小菊とドリアン。570名分を半日かけて用意されました。ご家族も「みなさんが喜んでくれるからいいんじゃない」と一緒に用意をされたそうです。
1週間に1万本以上出荷をしているドリアンはこの時期、赤くてとてもきれいです。
今日は消防団のみなさんも配布の応援をしてくれています。PRにもなるから、と積極的に協力され、消防団とかわさきマイスターとのコラボレーションで今回の企画が実現されました。
色鮮やかな花束はなんと570人分!
色鮮やかな花束はなんと570人分!
この花束をもらおうと長蛇の列が。
この花束をもらおうと長蛇の列が。
先日、てくのかわさきで開催された「川崎市最高峰の匠・かわさきマイスターに学ぶ 子ども向け(小学校3年生以上)夏休みものづくり体験教室」で、吉田さんは「自由な生け花教室」で講師をされました。そこで今のお子さんの感性のすばらしさに感激し、今後は、小さなお子さんが花に触れる機会を作って、花の良さを知ってもらうような活動をしていきたいとお話しくださいました。

★吉田義一さんの詳しい紹介ページはこちら

宮前区にお店や会社のある4人のかわさきマイスターが、地元宮前区のお祭りに参加されることで、区民はより身近にかわさきマイスターを感じることができたことでしょう。