地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、川崎の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

川崎の地域情報サイト「まいぷれ」

かわさきマイスター活動レポート

ものづくり体験教室 川崎

提供:川崎市

~優しい職人さんと楽しくものづくり♪~ものづくり体験教室 川崎開催

受付に次々と集まってくる入場者
受付に次々と集まってくる入場者
さる8月8日(土)の午前10時~12時までと午後13時~15時まで、川崎市高津区溝ノ口のてくのかわさき(川崎市生活文化会館)にて、「ものづくり体験教室 川崎」が開催されました。(主催:神奈川県、神奈川県職業能力開発協会、神奈川県技能士連合会、神奈川名工会、共催:川崎市、協賛:技能職団体)

教室は、伝言板、石のはんこ、光る泥だんご、花のプードルなど合わせて26教室が開かれ、そのうちの6教室にかわさきマイスターが講師として参加され、子供たちに指導を行いました。
2010年秋の技能五輪のマスコットも、お出迎え!
2010年秋の技能五輪のマスコットも、お出迎え!
笑顔で受付する子供。
笑顔で受付する子供。

お花を活ける楽しさを~花のプードル教室

カーネーションを使って楽しそうにプードルを作る子供たち
カーネーションを使って楽しそうにプードルを作る子供たち
フラワー装飾で作る花のプードル教室では、カーネーションを使って可愛いプードルを作ります。
優しい職人さんの指導の下、子供たちは楽しそうに一生懸命かごに造花でプードルを作り、アレンジしていました。
熱心に学ぶ子供たち
熱心に学ぶ子供たち
最終的にこんなプードルを仕上げます。
最終的にこんなプードルを仕上げます。
白板に書いて指導する都倉さん
白板に書いて指導する都倉さん
だんだんプードルの形になってきました!
だんだんプードルの形になってきました!
プードルの眼鏡の部分を作っています。
プードルの眼鏡の部分を作っています。
この教室を担当しており、フラワー装飾の分野でかわさきマイスターに認定されている都倉正明さんは、「フラワーアレンジメントなど洋風のお花の取り扱い方が流行っており、各家庭で、長持ちしない生の花を置く余裕がなくなっていますが、私は日本の伝統である生け花が普及するように花屋さんに生け花を広げようという活動も行っています。子供たちには、花のプードルは生のお花でも作ることができますよ、ということを伝え、お花への愛着と、お花をアレンジすることの楽しさを味わってほしいと思っています」と語っていました。

また、「昔はお花屋さんはお花をただ売れば良いのではなく、お花の先生に使ってもらう生け花を作っていました。生け花は流派によって材料がちがい、またお花の生け方は飾る場所によってちがうため、花屋はそうした生け方を技能の一つとして習得しなければならないと考えています。」
「後継者である私の娘は、クロアチアの世界遺産で感じたままに生けるという体験をしました。みなさんに喜んでもらって、とても好評でした。」とも語っておられました。

自分で作ったという思い出を~座ふとん教室~

熱心に教える内海さんと、指導を受け熱心に座ふとんを作る親子。
熱心に教える内海さんと、指導を受け熱心に座ふとんを作る親子。
「Myふとん、Myクラフト」自分のふとんを作る座ふとん教室では、手づくりのふとんを綿入れから仕上げまでマンツーマンで丁寧に優しく指導。この教室を担当しており、寝具製造の分野でかわさきマイスターに認定されている内海正次さんは、「午後から予約がたくさん入った。座ふとん作りは“綿入れ”“くけ”など難しいところも多いので、職人さんと一緒に作り、子供たちに『ここは自分で作った』という思い出を作ってほしい、と話していました。
布団をとじるときのめくらとじの方法は、富田屋流の特許であり、目でみなくてもほつれないように綴じていくことができる。また、富田屋流では、「つばくろ綿入れ」といって、ひし形に置いて綿を入れると、ずれない、座ふとんは小さいので、対角線上にした方がフィットしやすく、座り心地もその方が良い、これは、昔の人の知恵を使った入れ方です、と語っていました。

内海さんは、手作りの綿布団の良さを伝えるために、市の匠展に出席したり、ホームページに作り方を出したりと、日夜努力を惜しまず活動しておられます。
内海さんに、「綿入れ」を教わる子供。真剣な表情。綿を重ねて、折って、ちぎる。
内海さんに、「綿入れ」を教わる子供。真剣な表情。綿を重ねて、折って、ちぎる。
内海さんに、「くけ」を教わる子供。
内海さんに、「くけ」を教わる子供。
「くけ」をする内海さん。この部分が難しい。綿の反発を押さえないと、綿が弾かれてしまう。
「くけ」をする内海さん。この部分が難しい。綿の反発を押さえないと、綿が弾かれてしまう。
座布団見本。
座布団見本。

次は手作りの時代~洋裁教室~

洋裁教室では、「ペットボトルケース」(保冷・保温袋つき)と、「ネコのクリップ(2ケ組)」の指導が行われました。
ペットボトルケースは、脇と底を縫い、口布は表と裏ではさみ縫いをし、紐を通してできあがりです。
ネコのクリップは、布を縫って洗濯ばさみと綿を入れ、頭を取り付けて眼やひげを付けます。
この教室を見学に来られた、洋裁技能士の分野のかわさきマイスターである石塚よし子さんは、「いつもより盛会です。夏休みが始まったばかり、ということもあるのでしょう。普段針を持ったことのない子が、上手に縫っています」と話していました。

またこの教室を主催された、洋裁・婦人服の分野のかわさきマイスターである佐藤榮子さんは、「現代は既製服が氾濫して手作りの良さが見失われているが、既製服の時代のあとにはまた手作りの時代がくると思う。子供たちに、手作りの楽しさの一端に触れて帰ってほしい」と話していました。

また、「衣服をデザインするとき心がけていることは、着る人の体型に似合うものを考えてあげること、着ていて尚且つ楽しめるものを作ることです。洋装組合では昨年「浴衣で作るワンピース」教室を開催して非常に好評でした。また、週に3回、てくのかわさきで洋裁教室を開いており、仕事帰りの主婦や若い人が習いにきています。既製服が氾濫していますが、洋裁が好きな方は理解力も早いので、能力を引き出してあげて、オリジナルの服を作る良さを味わってほしいと思っています。」とも語っておられました。

子供を参加させたお母さんの中には、「子供に洋裁を教えてたいけれど、自分ではなかなか教えることができないので、という方もいらっしゃいました。
こんなネコのクリップを作ります。中に洗濯ばさみが入っているので、ネコどうしも繋げることができます。
こんなネコのクリップを作ります。中に洗濯ばさみが入っているので、ネコどうしも繋げることができます。
ネコどうしをキスさせることもできます。
ネコどうしをキスさせることもできます。
ネコとネコをくっつけて、そこにペンを立てることもできます。<br>このネコのクリップの型紙は、かわさきマイスターの佐藤榮子さんが考案したものです。
ネコとネコをくっつけて、そこにペンを立てることもできます。
このネコのクリップの型紙は、かわさきマイスターの佐藤榮子さんが考案したものです。
筆者も参加させていただきました!普段ボタンを付けるとき以外では針をほとんど持ったことのない筆者にも、職人さんは優しく親切に教えてくださり、可愛らしいネコのクリップができあがりました♪
筆者も参加させていただきました!普段ボタンを付けるとき以外では針をほとんど持ったことのない筆者にも、職人さんは優しく親切に教えてくださり、可愛らしいネコのクリップができあがりました♪

手づくりの看板の良さを伝えたい~伝言板教室~

一生懸命指導する浅水屋さん
一生懸命指導する浅水屋さん
広告美術を使った、伝言板教室では、プラスチックの板に楽しい絵や文字を貼って、外出のときの家族への伝言板を作ります。
広告看板製作分野のかわさきマイスター、浅水屋 甫さんを始めとする職人さんたちが、熱心に指導、子供たちも目を輝かせて作品創りに取り組んでいました。この伝言板は、浅水屋 甫さんの後継者である娘さんの浅水屋美枝さんが考案したもの。文字をカッティングマシーンで切って利用していきます。
子供たちは、「楽しい。できあがったものがきれい」と楽しさを表現していました。浅水屋さんは、「手造りの看板の良さが伝われば」と話していました。

浅水屋さんの専門は広告看板製作ですが、お寿司屋さんのメニューや、手描きの表札や、石油タンクや、煙突、歩道橋、JRの橋梁などに手描きの文字を製作しています。高さが高い場所も多いので、そういう場所では塗装屋さんが足場を組み、JRの橋梁などでは電車が通るので夜作業を行います。このような技能を持っている人はほかになかなかいないので、いなくては困る人材として各界で活躍されています。
切ったものを押さえつけて、裏紙をはがします。
切ったものを押さえつけて、裏紙をはがします。
このような伝言板を作ることが目標です。
このような伝言板を作ることが目標です。
男の子が生き生きと楽しそうにハサミで切っています。
男の子が生き生きと楽しそうにハサミで切っています。
男の子が先生に質問!
男の子が先生に質問!

手作りの味わいを~石のはんこ教室

素敵な表情で指導されるかわさきマイスターの磯野紀子さん
素敵な表情で指導されるかわさきマイスターの磯野紀子さん
石のはんこ教室。石の材料に彫刻刀で、自分の名前などを密刻で彫ります。印章彫刻士としてかわさきマイスターに認定されている磯野紀子さんが教室の主催者です。磯野さんは、「教室は大盛況でした。子供は無心に彫るので、大人よりも上手い。今日来てすぐに参加したいと並んでいる人もいました。はんこ創りは人気があり、毎年50名は参加します」と話していました。また、「手仕事をいやがる子供が増えましたが、手作りの味わいを理解してもらえたら」とも語っていました。

また、磯野さんは、ご自身の活動として、「最近は、表札の板に観音様を彫って額に入れて飾ることに夢中になっています。版画家の棟方志功が彫っていたような版画の資料を探して、彫っています。一個一個、世の中に一つしかないものです」
「今まで印章彫刻士の仕事をしていて嬉しかったことは、お客さんに、綺麗に彫れていると褒められたこと、仕事をする上で気をつけていることは、神経を集中して無心に彫ることです」
「密刻は、時間がかかります。紫檀の丸い木に、巳を彫り、手仕上げでグリーンの色を入れます。」と語っておられました。

磯野さんは、指導育成活動としては、横浜の小学校で卒業記念に、卒業ノートに押す卒業制作のはんこ創りの指導と、訓練校での指導を行っておられ、積極的に活躍しておられます。
木にはんこをはさんで切ります。カッターナイフの持ち方がポイントです。
木にはんこをはさんで切ります。カッターナイフの持ち方がポイントです。
お母さんと子供が熱心に教わっています。
お母さんと子供が熱心に教わっています。

表具すばらしさを身近に~夢の小箱と色紙掛け教室

夢の小箱と色紙掛け教室は、子供たちに人気がある教室です。
この教室を主催される表具師の分野の若林近男さんは、職業技術校の講師を22年していらっしゃり、検定のインストラクターでもあります。トライアル雇用で、10人の人を育てたそうです。
刷毛(はけ)と糊(のり)を使い、子供たちにとって難しいと思われる部分は手伝って指導しておられました。

表具を仕上げるときは、乾燥していなければならないので、とても神経を使います。
天候の具合や糊(のり)の具合によっては、布団乾燥機を使う場合もあるそうです。

最近は床の間や畳がない家が多いので、子供にこの教室で表具に興味を持ってもらえたら、と若林さんは語っていらっしゃいました。

15:00には無事閉会となり、子供たちは先生に優しく教えていただきながら創った作品を手に手に、ものづくりの楽しく充実した思い出を胸に、家路につきました。
かわさきマイスターを初めとする職人さんたちは、子供たちが今日のものづくり体験教室で学んだものづくりの楽しさとできあがったときの喜びの心を、今後の人生に活かしていってくれることを願っています。

人気のキーワード