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かわさきマイスター活動レポート

平成21年多摩区民祭レポート

提供:川崎市

かわさきマイスターの「匠の逸品」を身近に体験!お得に入手も!

生田緑地の紅葉も始まっていました。
生田緑地の紅葉も始まっていました。
平成21年11月14日(土)、岡本太郎美術館、日本民家園、青少年科学館などの文化・教育施設が、豊かな自然の中に点在する生田緑地を舞台に第32回多摩区民祭が開催されました。そこに、川崎市が認定した『極めて優れた熟練の職人』である『かわさきマイスター』が出展、展示、実演、販売を行い、多摩区民
のみなさんにかわさきマイスターの技の素晴らしさを披露しました。

自然豊かな生田緑地を舞台に開催された多摩区民祭。
自然豊かな生田緑地を舞台に開催された多摩区民祭。
午前中は雨で出足が心配されましたが、午後からは雨も上がりお日様も顔をのぞかせ、訪れた多摩区民は、紅葉色づく生田緑地の中に所狭しと点在する屋台や展示、公演で、区民のお祭りを思う存分楽しんでいました。
かわさきマイスターのブースにも、区民が次々と訪れ、かわさきマイスターの指導を受けてシルバーリングを作ったり、出展されたマイスターが作った座布団を格安で購入したりと、匠の技に触れる良い機会となりました。


この日は、平成13年度認定、神社寺院銅板屋根工事の分野のかわさきマイスターである関戸秀美さんと、平成10年度認定、寝具製造の分野のかわさきマイスターである内海正次さんが、展示、実演、指導、販売を行いました。

関戸 秀美さん (職種:神社寺院銅板屋根工事)

鏨(たがね)でシルバーリングの模様を打って作る関戸さん。<br>花や実、トンボなど、様々な種類の模様を彫ることのできる鏨(たがね)があります。<br><br>
鏨(たがね)でシルバーリングの模様を打って作る関戸さん。
花や実、トンボなど、様々な種類の模様を彫ることのできる鏨(たがね)があります。

金属板を槌(つち)で打ち延ばして金属工芸を作る鎚起(ついき)という技に卓越した関戸さんは、この日はその技を使って、現代のアクセサリーとしても価値の高いシルバーリング、根付(ねつけ)、スプーン製作、実演、指導、販売を行いました。
関戸さんは、「午前中は雨だったにも関わらず、お客さんが多く来られて注文がたくさん入りました。毎年作ってくださいと頼みに来られる方も多いです。ほかの人の分を頼まれてくるお客さんもいます。」と嬉しそうに語っておられました。
銅版を打ち出したり切ったりする鏨(たがね)は、奈良大仏の台座の蓮の花弁を彫った際に使われたものと同じものを、ご自分で作って使われているそうです。
銅版を打ち出したり切ったりする鏨(たがね)は、奈良大仏の台座の蓮の花弁を彫った際に使われたものと同じものを、ご自分で作って使われているそうです。
鏨(たがね)には、トンボや、花や実などいろいろな模様を彫れる種類のものがあります。
鏨(たがね)には、トンボや、花や実などいろいろな模様を彫れる種類のものがあります。
来場者も熱心にシルバーリングの模様を製作
来場者も熱心にシルバーリングの模様を製作
精巧な模様のシルバーリングが完成しました。この方は毎年来ているそうです。
精巧な模様のシルバーリングが完成しました。この方は毎年来ているそうです。
これは「いけこみ」といって、地金の柔らかいところを絞めて固くし、厚みを出します。そうすると額縁のようになり、味が出るとのことです。
これは「いけこみ」といって、地金の柔らかいところを絞めて固くし、厚みを出します。そうすると額縁のようになり、味が出るとのことです。
とても細かい作業です
とても細かい作業です

内海 正次さん (寝具製造)

区民のお客さんに、手作りの布団の良さを説く内海さん
区民のお客さんに、手作りの布団の良さを説く内海さん
手作りの布団作りができる数少ない職人である内海さんは、この日はその技能を活かして作った座布団の展示、販売を行いました。
内海さんだけではなく、内海さんの仲間である多摩・麻生区寝具商組合加盟店のみなさんの作品も展示されており、一緒に協力しながら手作りの座布団を販売していました。
座布団は、普段お店で販売されている価格の半額という格安で販売されました
座布団は、普段お店で販売されている価格の半額という格安で販売されました
長座布団から小さめの座布団まで、様々な種類で、素敵な柄の座布団が販売されていました。
長座布団から小さめの座布団まで、様々な種類で、素敵な柄の座布団が販売されていました。
布団作りの流派の一つ富田屋(とんだや)流を継承し、寝具製作1級技能士の資格を持つ内海さん。手作りの綿布団の良さを伝え続けます。
布団作りの流派の一つ富田屋(とんだや)流を継承し、寝具製作1級技能士の資格を持つ内海さん。手作りの綿布団の良さを伝え続けます。
「綿の布団は、リサイクルできる布団です」と内海さんは生き生きと、手作りの綿布団の良さを語ります。
「綿の布団は傷んできても手入れをすることで蘇ります。お客様には、敷き布団は2年、掛け布団は4~5年経ったら、洗い張りなどの手入れを自分でするか、布団屋さんにお願いしてください、とお伝えしています。」
課題は、後継者不足だといいます。
座布団の作り方を教えるにも1人頭2畳の広さは必要です、そのため教える場所がなかなか確保できないため、内海さんは、手始めにミニ座布団のトジだけを教える教室を開催することを、アイディアとして考えているそうです。

手作りの布団について語る内海さんの表情は、終始楽しそうでした。

こうして、多摩区民祭のかわさきマイスターの展示、実演、販売は、盛況のうちに閉会しました。
みなさんも、来年はぜひ、気軽にかわさきマイスターの伝統の素晴らしい技に触れ、学び、「匠の逸品」をお得に入手できる、多摩区民祭かわさきマイスターブースを訪ねてみてはいかがでしょうか。