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かわさきマイスター活動レポート

「ものづくり立国・日本」次世代フェスタレポート

提供:川崎市
「ものづくり立国・日本 次世代フェスタ」へようこそ
「ものづくり立国・日本 次世代フェスタ」へようこそ
1月15日(土)、16日(日)10:00~16:30、東京ビックサイト西ホールにて「ものづくり立国・日本」次世代フェスタが開催されました。会場には幾つものコーナーやステージが設置され、130を越える技能が一堂に集結し、地元東京をはじめ、他県からも大勢の方が来場しました。
かわさきマイスターのブースに集まる見学者。
かわさきマイスターのブースに集まる見学者。
今回、同フェスタには、神奈川県と共同で川崎市も出展、2名のかわさきマイスターが来場者を前に磨き上げた技術を披露しました。初日の15日には、筆一本、腕一本で書体や広告看板を描き上げる熟練者で、平成16年かわさきマイスター認定の浅水屋 甫(はじめ)さんが、二日目には、平成19年度認定の機械式高級時計の複雑な構造に精通した時計技能士、飯嶋義弘さんが、会場内の『感動する ものづくりPRコーナー』のブースで実演されました。

1日目

浅水屋 甫さん

浅水屋さんの仕事の資料が置かれたテーブル前に張られた、看(楷書)板(相撲文字)、製(隷書)作(行書)、広(角ゴシック)告(寄席文字)、美(明朝)術(江戸文字)の文字の一覧表。
浅水屋さんの仕事の資料が置かれたテーブル前に張られた、看(楷書)板(相撲文字)、製(隷書)作(行書)、広(角ゴシック)告(寄席文字)、美(明朝)術(江戸文字)の文字の一覧表。
浅水屋さんの実演は、午前に1回、午後に3回、毎回30分ずつ計4回行われました。見学者の1人から希望の漢字一文字と書体をノートに書いてもらい、それを下書きなしで、板に貼られた模造紙に即興的に書き上げていきます。浅水屋さんの頭の中には、数十種類の書体が入っており、リクエストを受けると頭の中でデザインして、すぐに作業に取り掛かります。
 そうして、4回の実演で、(1) 海(行書)、(2) 龍(行書)、(3) 堤(隷書)、(4) 愛(行書)、(5) 慶(相撲文字)、(6) 傑(江戸)、(7) 廉(江戸文字)、(8) 寿(楷書)、(9) 龍(行書)、(10) 桃(行書)、(11) 和(江戸文字)、(12) 愛(相撲文字)、(13) 気(隷書)、そして締めくくりとして、隣のブース『長野技能五輪、アビリンピック2012』の若い女性スタッフのリクエストによる(14) 技という文字を丸で囲んだデザインのような文字の合計14文字を書き上げました。
10分ほどで「海」を書き上げました
10分ほどで「海」を書き上げました
一回目の実演でのリクエスト、行書体の「龍」を書き終え、丁寧に書体名とサインをします
一回目の実演でのリクエスト、行書体の「龍」を書き終え、丁寧に書体名とサインをします
隷書体の「堤」、紙を横にして、縦棒をより太く尻上がりに。
隷書体の「堤」、紙を横にして、縦棒をより太く尻上がりに。
2回目の実演でのリクエスト、行書体の「愛」。
2回目の実演でのリクエスト、行書体の「愛」。
相撲文字の「慶」を書き終えた浅水屋さんにスタッフが説明を求めます。
相撲文字の「慶」を書き終えた浅水屋さんにスタッフが説明を求めます。
江戸文字の「傑」。画数の多い字の左右と上下の調和も完璧です。
江戸文字の「傑」。画数の多い字の左右と上下の調和も完璧です。
江戸文字の「廉」。縦棒と横棒が絶妙のバランス。
江戸文字の「廉」。縦棒と横棒が絶妙のバランス。
「寿」の楷書体には、あらたまった雰囲気が。
「寿」の楷書体には、あらたまった雰囲気が。
柔らかく美しい流れがある行書体の「桃」。浅水屋さんの繊細な感性が見られます。
柔らかく美しい流れがある行書体の「桃」。浅水屋さんの繊細な感性が見られます。
豪快でどっしりとした字体の江戸文字の「和」。
豪快でどっしりとした字体の江戸文字の「和」。
気功を行う女性がリクエストし、エネルギーが満ち溢れていると絶賛された隷書体の「気」
気功を行う女性がリクエストし、エネルギーが満ち溢れていると絶賛された隷書体の「気」
締めくくりの作品。お隣のブースの女性からのリクエストで、「技」の文字をフリーハンドの丸で囲んだ即興的な作品。粋なデザインです。
締めくくりの作品。お隣のブースの女性からのリクエストで、「技」の文字をフリーハンドの丸で囲んだ即興的な作品。粋なデザインです。
一文字にかかる時間は、10分足らず。お洒落なオレンジ色のバンダナを巻き、身体全体を使いしなやかに描きあげる浅水屋さんの匠の技と仕上がった美しい文字に観客の皆さんからは驚きの声が上がり、大きな拍手が送られました。デジタル仕様の出展が多い中で、体を張って筆一本で揮毫(きごう)に挑むパワフルな浅水屋さんの存在は、ひときわ異彩を放っていました。また、浅水屋さんの実演を見ようと、ブースの前に見学者が溢れてしまう場面もありました。揮毫料も無料で、出来上がった作品は、リクエストした観客の方にプレゼントとして渡されました。素晴らしいお土産になりましたね。

来場者からのコメント

■(5) 「慶」をリクエストした男性
「今日のイベントは新聞のチラシで知りました。長男に息子が生まれ、名前を慶とつけました。孫へのプレゼントになりました。浅水屋さんの技は素晴らしいですね」

■(9) 「龍」をリクエストした男性
「辰年生まれの家内へのサプライズ・プレゼントです。」

■(13) 「気(隷書)」をリクエストした女性2人
「私たちは気功をしているので『気』の文字を隷書でお願いしましたが、浅水屋さんの実演は見ていて気持ちがよく、文字からはエネルギーが満ち溢れていますね」

浅水屋さんのコメント

「江戸文字は、神社仏閣によく使われ縁起の良い文字です。奇麗なデザインや仕上がりに見せるため何回塗ってもいいんです。隷書体は、会社の看板などによく使われ、やはり縁起がいいんです。「堤」は、紙を横にして書きました。尻上がりにしてたて棒を太く、横棒を細く書きます。そうすると見栄えがよくなります。今日は14枚書きましたが、この位は序の口です。楽しかったな。」

浅水屋さん、実は、開催日二日目も、来場者の1人としてイベント会場に元気な姿を見せていらっしゃいました。
浅水屋 甫さんのプロフィール

かわさきマイスター認定年度:平成16年 広告看板製作
コンピューター全盛の中、筆一本であらゆる字体をすらすら描いていく看板業の熟練者です。小さい看板から石油タンクの壁面画、大型クレーン、店舗の看板、垂れ幕、ポスター等を高所・難所問わず体一つで現場に向かい、製作します。バランス感覚とデザインセンスを兼ね備え、「匠」という言葉が似合う貴重な技能を保持し、各種コンクールにも応募し、挑戦意欲も旺盛な職人です。

■連絡先: 浅水屋カンバン店
■住所: 川崎市幸区南加瀬3-38-40
■電話: 044-588-9307
■FAX: 044-599-0014
■営業時間: 8:00~21:00 年中無休
■e-mail      jajauma.kanban-musume@y5.dion.ne.jp