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かわさきマイスター活動レポート

第31回幸区民祭

“かわさきマイスター”コーナーにて匠の技を披露・展示

提供:川崎市
“心のふれあう ふるさと さいわい”をキャッチコピーに「第31回幸区民祭」が10月15日(土)と16日(日)の2日間、幸区戸手本町の幸区役所一帯で開催されました。

区民祭を2日間行うのは川崎市内でもこの幸区だけ。初日当日は朝方まで強い雨が降るなど、天候が心配されましたが、午前11時~の開会を前に次第に雨も上がり、区民に愛される手作りのお祭りを通して、地域で活躍する人々との交流も深まる2日間となりました。今年は東日本大震災の被災地復興に向け「かわさき東日本応援プロジェクト」として東日本4県(岩手・山形・福島・茨城)の観光・物産ブースも登場。各地の名産品やご当地グルメがずらりと並び、会場を盛り上げました。
幸区民祭に参加した「かわさきマイスター」の皆さん(左から只木角太郎さん、石塚よし子さん、浅水屋甫さん)
幸区民祭に参加した「かわさきマイスター」の皆さん(左から只木角太郎さん、石塚よし子さん、浅水屋甫さん)
そんな幸区民祭に、市内最高峰の技術や技能を持った「かわさきマイスター」のブースが今年も出店。区役所裏の区役所車庫に設けられたブースには、幸区に在住する只木角太郎さん(平成11年度認定、洋服仕立て・紳士/婦人)、浅水屋甫さん(平成16年度認定、広告看板製作)、石塚よし子さん(平成18年度認定、洋裁技能士)の3名が参加し、長年培った超一流の技を披露、製品展示販売などを行いました。

只木角太郎さん(平成11年度認定、洋服仕立て・紳士/婦人)

生地や手作りマフラーの販売とパターン無料配布

パターン(型紙)を作る只木さん
パターン(型紙)を作る只木さん
只木さんは、男女問わずお客様の体型に合わせ、しなやかな着心地と洗練されたシルエットの洋服を仕立てる匠です。業界紙に洋服の製図や作品を長年連載し、技術技能の伝承にも力を注いでいます。

今回の出店では、様々なイベントで好評を得ている「パターン無料配布」を目玉に手作りマフラーの特別販売等を行いました。

「パターン無料配布」は、オートクチュールを手がけてきた只木さんが厳選した高品質の生地を格安で販売し、その生地を購入したお客様に限り、只木さん自らがその方にぴったりフィットするパンツもしくはスカートのパターン(型紙)をおこして、それを無料でプレゼントしてくれるというもの。市民祭や区民祭をはじめとした各種イベントでもたくさんの来場者に大好評を得ています。
以前、生地を購入し型紙を作った方も遊びに来てくださいました
以前、生地を購入し型紙を作った方も遊びに来てくださいました
手作りマフラーの特別販売
手作りマフラーの特別販売
浅水屋さんに描いてもらった手書きポップを持って、記念撮影
浅水屋さんに描いてもらった手書きポップを持って、記念撮影
また今回はその他に“秋”という季節に合わせ「手作りマフラー」の特別販売も併せて実施。只木さん自らが生地を選び、一つひとつ丁寧に仕上げたマフラーが店頭に並びました。

ウール100%の素材やリバーシブルで楽しめるデザインなど、色々用意。マフラーの両サイドがほつれないようにするミシン掛けにもかわさきマイスターならではの一工夫が施され、とても丈夫に仕上げられているほか、マフラーの裾部分の糸も丁寧に房が作られていてとてもお洒落。全て手作りの作業で作るため、1日に6本作るのが限界というそんな匠の技が光るマフラーがなんと、1000円から販売されました。

マフラーを手に取った女性は「これは女性でも男性でもOKな素敵なデザインですね。とってもお洒落。これがこの値段で買えるなんてラッキーです」と、笑顔で数本まとめ買いしていかれました。只木さんは「お洒落な方に喜んで頂けると私も嬉しいですね」とにっこり。区民の方との笑顔ある交流のひとときとなりました。
展示してあったドレスについての質問に応える只木さん
展示してあったドレスについての質問に応える只木さん
この他、ブースには世界のファッションショーに出展してきた只木さんの作品も展示。区民祭に訪れていた男性は、華やかなドレスやスーツを間近で見て「素晴らしいドレスですね。間近で見る機会もなかったので貴重な経験となりました。ありがとうございます」と感想を述べていました。
【只木さんの連絡先】
服装タダキ

 ■所在地   幸区古市場1-38
 ■電話 / FAX  044-511-4684 / 044-533-5066
 ■営業時間  9:30~18:30
 ■休み    日・祝

只木さんの詳しい紹介ページはこちら

浅水屋甫さん(平成16年度認定、広告看板製作)

手描き表札の実演販売

看板製作の匠・浅水屋さんによる実演
看板製作の匠・浅水屋さんによる実演
浅水屋さんは、コンピューター全盛の今も、筆一本であらゆる書体で文字を描く看板職人。小さい看板から石油タンクの壁面、大型クレーン、ポスター等、場所や内容問わず、身体一つで現場に向かい、熟練した匠の技で製作を行う、生粋のマイスターです。

そんな浅水屋さんは、今回の出店では各種イベントでいつも好評を博している「手描き表札の実演販売」を行いました。
浅水屋さんの筆が走り始めると、なぜか場が静まりかえったような雰囲気になります
浅水屋さんの筆が走り始めると、なぜか場が静まりかえったような雰囲気になります
インクをバーナーで乾かして仕上げに進みます
インクをバーナーで乾かして仕上げに進みます
注文を受けると、お客さんに表札に入れる文字を紙に書いてもらい、準備をした栂材の表札板に大体の見当をつけると、作業開始。

しなやかで強く、先端が細いためどんな文字でも描きやすいという、イタチの産毛で出来た愛用の筆を使い、一気に文字を入れていきます。見栄えよく細かな修正を加えつつ約20分ほどで文字を書き終えるとインクを乾燥させ、艶出しのラッカーをかけて出来上がりです。

作業の合間、市内最高の職人の技を有する「かわさきマイスター」の称号を持つ、浅水屋さんに「書きにくいバランスの文字や、難しい配置の注文とかはありますか?」と畏れ多くも質問してみると、

「ないね」

…と一言。縦書きも横書きも、同じで全く違和感は感じないそう。流石かわさきマイスター、長年培った経験と実績があるからこその一言です。
子ども達は浅水屋さんの道具にも興味津々
子ども達は浅水屋さんの道具にも興味津々
浅水屋さんが見事なバランスで表札板に文字を入れていくと、その周囲は職人の集中力を感じさせる静寂な空間に包まれます。そんな職人オーラを感じてか、浅水屋さんが仕事を始めると多くの人が立ち寄り、その様子をじっくり見学していきました。その輪の中には、小さな子ども達もいて「お母さん、私も表札が欲しい!!」とねだりだす子もいるほどでした(笑)。
浅水屋さんがコンクールに出品した<br>手描きポスター
浅水屋さんがコンクールに出品した
手描きポスター
また、ブースには浅水屋さんが広告美術コンクールに出品した作品も展示。見物客は全て手描きで仕上げられた看板を見て、感嘆の声を上げていました。
【浅水屋さんの連絡先】
浅水屋カンバン店

 ■所在地   幸区南加瀬3-38-40
 ■電話 / FAX 044-588-9307 / 044-599-0014
 ■営業時間  8:00~21:00
 ■休み    なし(年中無休)

浅水屋さんの詳しい紹介ページはこちら

石塚よし子さん(平成18年度認定、洋裁技能士)

手作り小物展示販売

お客様に明るい笑顔で接する石塚さん
お客様に明るい笑顔で接する石塚さん
石塚さんは、使う人の好みに応じ、高い技術とクリエイティブな感性でデザインから製図、裁断、縫製に至るまで、洋裁に伴う全ての工程を一人でこなす洋裁技能士の称号を持つかわさきマイスター。

今回の出店では、ティッシュ入れや小物入れや布巾着などの手作り小物の展示販売を行いました。
華やかで便利な小物は女性の注目を集めました
華やかで便利な小物は女性の注目を集めました
手作り小物の説明をする石塚さん
手作り小物の説明をする石塚さん
今回の出店では、ティッシュ入れや小物入れや布巾着などの手作り小物の展示販売を行いました。

店先に並べられた品々はどれも手作りのものばかり。かわさきマイスターの丁寧な仕事が施されしっかりと作られているのに、値段はティッシュ入れは50円、布巾着は200円~と手ごろなものが多く「娘にプレゼントであげようかしら」「こういった小物入れ、あると便利なのよね」と、まとめ買いをしていく方もいらっしゃいました。
ティッシュ入れに巾着袋、小物入れなどが並びました
ティッシュ入れに巾着袋、小物入れなどが並びました
取材中、「ティッシュ入れや巾着、小物入れと色々な用途で使える小物が売られているので見ていても楽しいですね」と声をかけると、

「確かに用途に応じたデザイン、それに柄と色々ありますが、実はそれだけではなく、生地の素材も色々なんですよ。例えば、木綿の生地一つをとっても細い糸で織られたものもあれば、ざっくりと粗めに織られているものもあります。普通、デザインを決めたら柄を選んでおしまい、という人がほとんだと思いますが、こういう小物選びの場合は、生地の手触りまで確かめてみるのもおススメです。思いのほか、高い生地が使われている小物があったりして、意外な掘り出し物が見つかるかもしれませんよ」

…と笑顔で、小物を選ぶ際のポイントを教えてくださいました。
丁寧に作られた手作り小物がお買い得のお値段とあって、まとめ買いをしていくお客様も多くいらっしゃいました
丁寧に作られた手作り小物がお買い得のお値段とあって、まとめ買いをしていくお客様も多くいらっしゃいました
早速言われたとおりに生地を触ってみると、生地それぞれの手触りが全然違います。「これは光沢のある糸を使っていて、手触りもいい生地。これは色落ちがあまりしない丈夫な生地。こっちは確か1m2000円ぐらいの高い生地…」石塚さんが説明をしてくれると、さっきまであまり気に止まらなかった柄が急に輝いて見えてくるほどでした(笑)。

石塚さんは、そんなお話を来店したお客様とも楽しみながら、かわさきマイスターならではの洋裁豆知識を披露。立ち寄ったお客様も喜んでうなずきながら、弾む会話を楽しんでいました。
【石塚さんの連絡先】
平間洋装店

 ■所在地   幸区下平間151
 ■電話・FAX  044-522-1604
 ■営業時間  9:00~18:00
 ■休み    日・祝

石塚さんの詳しい紹介ページはこちら

お天気は不安定だったものの、午後にかけてゆっくりと快復傾向にあり、翌日はお天気にも恵まれ盛況のうちに幕を閉じた今回の「幸区民祭」。かわさきマイスターのコーナーは、幸区役所裏手の若干、人通りが少ない場所でしたが、それでも多くの人が足をとめ、その匠の技を見入っていました。