かわさきマイスター活動レポート
平成23年11月27日（日）10：30～18：00ＪＲ南武線「溝の口」駅改札前の南北自由通路で「川崎市住まいのなんでも相談展示会」のイベントが行われました。
市内の工務店や建材店・施工業者など、実演即売会のほか、耐震工事、リフォーム、増改築などの相談ができる「川崎市住宅相談運営委員会の専門家による無料住宅相談会」、組み立て実演、補強材有無の強度の違いの体験をする「耐震モデルハウスの展示」、子供用椅子づくり、タイル貼り体験の企画がされた「ものづくり子供体験教室」そして、市内最高峰匠が実演・販売をする「かわさきマイスター展」が開催されました。駅の改札口を出た通路にもかかわらず、足をとめて各展示場を見て回る人も大勢いました。
その中で、今回は出展参加されているマイスターのお二人の活動をレポートします。
＜参加されたマイスター＞
■平成9年度認定 中村量貢マイスター（建築板金）
外壁・雨樋（あまとい）・雨漏り・屋根工事の無料相談
■平成16年度認定 浅水屋甫マイスター（広告看板製作）
手書き木製表札の実演販売
中村量貢マイスター
平成9年度認定 中村量貢マイスター（建築板金）中村さんは特に規格外の工事部分や試作品の製作において金属の性質を熟知し、複雑な立体物を勘とひらめきで平面の設計図に置き換え、手作業で板金から成形する高度の技能の持ち主です。（有）ナカムラ工業を営み、同業組合の役員としても、業界の発展と後継育成に尽力されている、人格豊かな方です。
【問合せ先】 有限会社 ナカムラ工業■所在地 川崎区大島4-11-5
■電話 / FAX 044-244-7071 / 044-244-0438
チリトリを買うお客さん
展示台には銅板で手作りされた飾り屋根（しび、鴟尾）、一級技能士の国家資格試験の実技試験の見本、銅板のインテリア額、トタン板と銅板で作られたチリ取りの即売品が置かれています。
70才になる年配女性は、プラスチックのチリ取りは軽くて、しっかりタタミに密着せず、細かいゴミをすくい難いとのことで、販売品を手にふれて実演してみて、「これいいわ」と800円のトタン製のチリ取りを買っていきました。
笑顔の中村さん
そのうちの実技試験の見本（黒い金属板で作られた2つの楕円の円筒形と1つの真円筒がつながったもの）を不思議に思って見つめている年配の男性が質問していました。この一見単純な形を作るのは実は大変な勘と経験が必要なもの、とのマイスターの答えにその男性はものづくり技能の深さに舌を巻いていました。
質問するお客さん
また、同様に年配の男性が、プラスチックの雨樋いが傷んで雨漏りがする、と相談。プラスチックは接続部分などすぐフニャフニャになる、やはり金ものに限るとの説明をしていました。
浅水屋甫（はじめ）マイスター
平成16年度認定 浅水屋甫マイスター（広告看板製作）身の回りには、印刷文字やパソコン印字文字があふれていますが、浅水屋さんは筆一本であらゆる字体ですらすら書いてゆく看板業の熟練者です。小さい看板から石油タンクの壁面、大型クレーン、ポスター等、場所や内容問わず、身体一つで現場に向かい、熟練した匠の技で製作を行う、生粋のマイスターです。
【問合せ先】 浅水屋カンバン店■所在地 幸区南加瀬3-38-40
■電話 / FAX 044-588-9307 / 044-599-0014
展示台の表示には模造紙揮毫実演、手書き表札実演販売、そして「頭の中に字体が数10種類！！下書きなし！文字を描く匠」の手書き表示が。仕事を楽しみ人生を楽しんでいる人柄がそのまま出ています。
外国人女性も興味深げに
午後2時頃には7枚くらいの表札の注文が入っていて、神経を集中させ、多くの観客の注視を気にせず書いていました。墨の素材はアクリル絵の具。15分くらいの手書き時間とバーナーでの速乾という機敏な手さばきで計20分くらいで出来上がっていました。
表札を買ったお客さんと記念撮影
何人かの表札を書いてもらった人の感想を以下に。
■30代の男性
「すばらしい。こんなに安いとは（2000円）！
新しい年の出発に古い表札と取替えたかった。いい正月が迎えられそう。」
■50代女性
「書体が楷書ですばらしい。表札はその家の品格を表します。よかった。」
■外国人女性
「すっきり、きれい」
■50代の林さんという方（マイスターと一緒に写真を、と）
「12月13日に新しい家に引っ越します。浅水屋マイスターは新聞で見て知っていました。今日は表札を書いてもらおうとやってきました。」
