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こども食堂のおばちゃんのコラム

和食のこころ 箱膳 ~ほっとキッチンで体験してみました

一汁三菜。和食の基本【本日の献立】右奥から時計回りで、鮭の蒸し焼き、具沢山味噌汁、ご飯、あえ物、煮物、真ん中は漬物

皆さんご存知ですか?「和食」は世界の無形文化遺産です。2013年、ユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録されました。

 

そこで、ほっとキッチンでは長野市で和食の普及活動を実践していらっしゃる「四方気の会」(代表 海瀬先生)の皆さんにお願いし、箱膳体験を実施しました。実は3年前に計画しましたが、コロナで延期になり、ようやく今回実現の運びとなりました。小・中・高・大学生、ベトナム人、ボランティアの皆さん、20名限定で開催です。

「和食とは」の簡単な説明を受ける

まず「和食とは」の簡単な説明から始まり、次に箸の持ち方を教えていただきました。正しく箸を持てば、魚の骨1本でも簡単に持つことができます。昨今、自分流に箸を持ち食する人が増え、思うようにおかずを口に持って行けず、こぼしたり落としたりと、行儀が良いとは言えないことが間々あります。

 

折角の機会ですから、日本で昔から培ってきた箸の文化を正しく継承し、何処に出ても恥ずかしくない食事のマナーを身につけ、日本の伝統をもう一度学び、次世代を担う子ども・若者に何とか伝え、引継いでいって貰いたいものです。

 

箱膳とは写真のとおり、ひとり用の箱がテーブルとなり、そこに一汁三菜が載せられます。ご飯と汁物と香のもの、焼き物、煮物、あえ物の菜(おかず)3品を添えます。あくまでご飯が主食。汁、香の物、菜は全て主食のごはんを食べるために用意されるという特徴があります。

手を合わせ5秒間~お米や野菜を作った方、本日調理をして下さった方に感謝の気持ちを込めて。膳を囲む皆さんと共に「いただきます」

皆が一同に席についたら、手を合わせ「いただきます」をします。自分の行動(これを食するに値する行いをしたか)、また、食物を育て収穫した方、調理をしてくれた方、全てに感謝の気持ちを込めて「いただきます」と声に出してから食べ始めます。

 

そして3口ほど食べたら、「美味しいですね」と相手への感謝の気持ちを表すことが和食の礼儀です。べちゃべちゃおしゃべりしながら食べることは礼儀正しいとは言えませんが、「美味しい」の一言は作法では大事な事です。

 

和食のマナーは「口中調味」と言って、ごはんが主食。食べる順番は、ごはん→味噌汁→ごはん→主菜→ごはん→副菜です。この順番は先人の教えで、体に良く栄養が行き渡ることだと言われています。

 

また、小鉢に盛り付けられた煮物・あえ物等は小鉢を手に持ち、口元まで運んで食べます。大皿に盛りつけられた魚や肉料理は無理ですが、小鉢は手に持ちます。そのために小鉢の底に高台が付いているのです。

 

食べ進むうちに、お替りをしたくなったら、「お願いします」と声を掛けると、おもてなしをして下さる方が盆を持って茶碗を取りに来てくれます。そこで両手で茶碗を持って盆に載せます。その時、ご飯を一口茶碗の中に残しておくことは「家を絶やさない」という武士の教えでもあったそうで、まだ食べていますよ、という暗黙の了解でもあります。一口残すのは行儀が悪いのでは?と思われがちですが、和食ではそうではありません。その時の所作も感謝の気持ちを込めることを忘れてはなりません。

 

ご飯を食べ終わったら、漬物を一切れだけ残して置き、茶碗に白湯を注ぎ漬物で丁寧に茶碗の中を拭います。これは茶碗についたご飯つぶを落とす役割があります。そうすることで、実際茶碗を洗うとき、とても楽に汚れを落とせるのです。これも洗う人への心使いです。

食べ終わったご飯茶碗に白湯をいれ、残しておいた一切れの沢庵でサッとお茶碗を拭う。そうすれば実際洗い易くなる。これも洗う人への心配りである。

もちろん皆さんが食べている間は、自分が食べ終わったからと言って席を立ちウロウロすることは失礼になります。皆さん揃ったところで「ごちそうさま」と挨拶をし、そこで初めて席を立っても良いのです。ごく基本的なことですが、つい忘れがちになってしまう事があるので、要注意! そして自分の膳は自分で片付けるのが作法です。

 

最後にほっこりする話を一つ。今回、四方気の会の方に食材を調達していただきました。その時の逸話です。前もって、徳間にある大手スーパーに「こども食堂で調理する」と伝え、鮭を20切れ注文しました。受け取りに行くと、20切れ全て大きさ・厚みが揃えてあり、それを見てさり気ない心使いにとても感動したそうです。その逸話を私達に話して下さり、私達も大いに感激しました。子どもを想うこころ、和食のこころに通じるものを感じました。

 

参加した皆さんの感想も口々に、素晴らしかった!参加できてとても良かった、心豊かな時間を持てたと感謝の言葉が寄せらました。ほっとキッチンではこうした機会を今後も企画・実施していく予定です。興味のある親子・若者、是非参加して下さい。一緒に “日本のこころ” をもう一度胸に刻みましょう。

食べ終わった後、また手を合わせ皆で「ごちそうさまでした」

参考:長野県農村文化協会編集 「箱膳が伝える 食べごとの心」

写真:輪っと集まれ!中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾提供

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