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ZOOM UP:かわさきの元気企業

第19回 株式会社スタックス 星野妃世子社長に聞く

中原工場協会「地域女性活躍推進委員会」の委員長として女性の活躍推進に取り組んでいます。

2014/07/23

薄板板金加工、アルミ溶接を得意としながら、お客様からのハイレベルな要望にも応えてくれる精密板金の会社。職人さんによる手作業での仕上げ加工に定評がある株式会社スタックスは、新幹線や宇宙ロケット関係に使われる高精度な部品も数多く製造しています。そして、そんな職人さんたちをまとめているのは、実は女性の社長なのです。
株式会社スタックス代表取締役社長の星野妃世子さんにお話しを伺いました。

波乱万丈な運命の女性社長

女性である星野さんが精密板金会社の社長になったきっかけをお教えください

父が社長で三姉妹だったので、長女の私が継ぐことは子供の頃から意識していました。ですが、大学卒業後に入った会社を寿退社して、主人がスタックス(当時の大星工業)を継ぐ予定で婿養子に入ってくれたんです。ところが、子供がまだ2~3歳の時に、主人が心筋梗塞で亡くなってしまい……、それで、主婦をしていた私が会社を継ぐために、専務として入社することになりました。

一番大変だったことはどのようなことですか

株式会社スタックスの高精度加工部品
株式会社スタックスの高精度加工部品
入社してまず「営業に行ってこい」と言われました。この業界で女性は珍しい、だから顔は覚えてもらえます。父には「それを活かせよ」と言われました。
技術的なことは全くわからなかったので、必要なことはそのつど工場長に教わりました。お客様から教わったことも多いと思います。見積りを作ったり、在庫管理のカードに漫画を描いたりして展開図も描けるようになりました。それから、会社の就業規則を作り直したり、経理のために簿記2級を取得したり、初めての体験や様々な勉強をたくさんしました。
入社から9年たった頃、先代(現会長)から「おまえ社長になれ」と言われたんです。
得意先らの発注が急激に減ってしまい、スタックスが一番大変な時でした。当時70人ほどいた社員を半分に減らすことが、社長になって最初の仕事でした。大切な社員に辞めてもらわなければならないのが、一番つらいことでした。

大切な社員を守るためにも

これからのことを教えてください

これまで、先代は「出来ないと言うな!」をモットーにして、お客さまからのどんな要望にも応えてきました。高精度の製品を納期厳守で納めてきたことが評価されて、「宇宙関連」や「新幹線」の部品などを手がけられるようにもなりました。お客様からのハードルの高い仕事をこなしてきたおかげで、今があると思います。

ただ、出来ないことは「出来ない」と言うのも大切なのでは…、と思います。うちみたいな仕事は受注産業ですので、無理な要求を受けて社員に無理をさせ、お客様の販売計画に会社自体も左右されているのでは、会社は良くなりません。
免震台足「スウェイフット」
免震台足「スウェイフット」
だからこそ、自社製品の開発もしています。これまでも、先代が開発したコインランドリーの洗剤販売機などが結構売れました。今は、川崎市さんの知的財産マッチングで出会った富士通さんの免震台足「スウェイフット」に力を入れています。大型精密機器やキャビネットを地震の揺れから守る台足です。産業機器などに向いていると思っていたのですが、住宅関係に売れているようで、すでに800セットほど販売実績があります。もう少し改良、リニューアルして、これから主力製品にしていく予定です。

川崎はもちろん、新潟や千葉へも飛び回る毎日

新潟や千葉にも事業所がありますが

ここ(川崎)は近くにNECや富士通などの大企業が多いので、中小企業にとっては人材確保が難しい。祖父が新潟の出身でしたので、知人からの紹介で十日町に工場を作りましたが、そこでもやはり人材には苦労しました。板金加工は未経験の人ばかりで、技術を教えることから始まりました。2011年には廃校となった小学校の校舎と体育館に、工場を移設しました。投資額も大きかったのですが、そのおかげで仕事も増えています。十日町は、地元企業からの仕事が本社の仕事と同じくらいか、それ以上に増えています。
千葉の勝浦は、アクアラインが出来るということで、本社工場を移転しました。

3か所のコミュニケーションを保つのは大変です。月曜日に新潟へ、金曜日には千葉へ…ということもあります。あっちこっちへと忙しいですが、1つの工場で何かあった時は、別の工場でカバーすることも出来るのは利点です。3か所の生産を一括で管理する独自のシステムも構築しました。

女性が活躍できる場を増やしたい

女性推進委員会では、どのようなことをしているのですか

工場だった社屋が、現在はマンション風に。
工場だった社屋が、現在はマンション風に。
中小企業家同友会川崎支部には女性は私くらいしかいないのですが、川崎支部長をしています。特に「女性」とは思われてないですよ。それが心地いい。同じ経営者として「仲間」と思っていただいています。
横浜支部と川崎支部との違いは、圧倒的に女性が少ないことです。横浜には女性のベンチャー起業家がたくさんいます。川崎でも女性を集めるきっかけが欲しいと思っていたところに「女性推進委員会を作ろうと思っているんだけど…」というお話しがあり、「いいですね」と言ったら、「じゃ、委員長」と指名されてしまいました。

うちは、昔から女性従業員のお子さんを母が預かったりして…、にわか保育園みたいな感じでした。先代も「男女不問」「女性でも何でもやらなければ…」という考えで、ママたちにも働いてもらっていました。今も少数ですが、重要な仕事をお任せしている女性スタッフもいます。中小企業ならではの女性の活用を考えていきたいです。
昔からお父さんが社長で、お母さんが専務や経理、娘さんが常務…とか、中小企業は当たり前のように女性を活用していたはず。
女性って意外と優秀ですよ(笑)

具体的にどうするか、何をするかは、これからです。やっていくうちにだんだん見えていくかな。


……女性がいると、会社が元気になる。会社が元気になると、地域も元気になる。そう感じさせてくれる星野社長でした。
インタビューの最後に「『音楽のまち・かわさき』にかこつけて真空管アンプを作りたいんです。以前工場長と一緒にやりかけていたことを復活させたくて…」と、目をキラキラさせながらお話しくださいました。いつか、川崎の町に深みのある素敵な音が響き渡ることを楽しみにしています。
株式会社スタックス
住所:神奈川県川崎市中原区下沼部1750
TEL:044-433-1611(代)
FAX:044-433-2218
ホームページ:http://www.stax-tqs.co.jp

お問い合わせ

株式会社フューチャーリンクネットワーク(TEL:047-495-0635)
川崎市経済労働局労働雇用部(TEL:044-200-2276)

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