エレクトロニクス“電子工学”を意味する。コンピューター機器、通信機、計量機器、医療機器など、私たちの生活周辺で目にする各種機器は、このエレクトロニクス技術抜きには考えられない。
｢わが社はエレクトロニクス機器のプランニングからハードウェア・ソフトウェアまで設計、プロトタイプ(試作品)の製作までトータルにとらえて開発を進めています｣と滝初雄代表取締役。
　プリント基板の開発、機構設計、システム開発の三つの設計部門を擁して、さまざまなエレクトロニクス機器を手がけている。同社のホームページから拝見した｢DSP BOARD｣や「Socratec端末」などについてお話を伺おうとしたら「懐かしいですね。2、3年前のことかな…」。業界の流れはそれだけ激しいというのだろう。取り扱いをしている身近な機器として、大学の教室で学生の入退室をチェックするICカードリーダを挙げていただいた。
　｢いまや大企業におんぶに抱っこの時代ではありません。私たち中小企業の方からノウハウを大企業に売り込む時代です。電気製品の大方はアジアでできる、自動車だってそうです。私たちが今の時代を生き抜くためにはエコ製品のアイデアが必要かもしれません。例えば、太陽電池などを生かした開発などがそうですかね｣(滝取締役)

　“にーまる会”という情報ネットワーク組織がある。東京、神奈川、静岡、茨城の1都3県、22の中小企業の技術者集団が経営支援セミナーや技術動向セミナーを開き、意見交換、勉強会を行っている。わが国のテクノロジーはこうしたグループ活動に支えられているのだ。
そこで、SKジャパンが冒頭にうたっていることが、FPGAの設計やシミュレーション設計もお任せください。｢FPGA｣とはfield programmable gate arrayの頭文字からきたもので、使用時に利用者が機能を設定できるICのことだ。設計したデジタル回路を、利用者がFPGAに定義することで、ほしい ICを短期間で入手できる。SKジャパンが国立大との産学協同で研究、開発したもので｢ハードの回路をソフトが行える計算機。まあ、お互いの知恵と技術の融合からできています｣(滝取締役)
産学協同といえば、ほかに高等専門学校と共同で地球儀型の室内アンテナを開発中で近々発売されることを示唆された。

　川崎市中原区下小田中の本社は武蔵中原駅から中原街道ぞいに徒歩5分。従業員18人の頭脳集団である。2階の事務所と隣あわせに試作、製造グループ、3 階に機械・電子グループの設計部門がある。取材に応じていただいた応接室の壁際に“防犯設備士証”のライセンスが目にはいった。
　｢私のほかに2人の社員が受けて全員合格しました。電気のことならみんな詳しいですから｣と滝取締役は涼しい顔。そして｢防犯カメラの設置を警察管轄からお墨付きをもらったわけですから、こんなに心強いことはありません｣と誇らしげだった。

　趣味が高じて商品化！滝取締役はホールインワンの経験もある大のゴルフファンである。
社内には自ら考案した“スイモ”の宣伝ポスター。スイング時の体の動きを加速度センサで計測、記憶した動きと比較してブレの大きさを判定します。
　｢ヘッドアップ防止とスイングの矯正に、あれこれ考えた末、自分で作りました｣と、キャップのつばに取り付けたスイモで、実演を交えながら説明していただいた。
｢緑、黄色、赤が点滅する仕掛けで緑でしたらブレがない。赤点灯だとブレが大きいのです」。ゴルフショップに自ら足を運んでの売り込みも行った。

　スイモはスイング時の身体の動きを加速度センサで計測し、
記憶した動きと比較してブレの大きさを判定します。
判定結果はスイング毎にランプの色で表示されます。
継続して使用することで、スイングが安定しフォーム固めに
役立ちます。