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川崎アワード

第9回 川崎市最後のトロバス 殿

世界のいろいろなところで活躍している「トロリーバス」。
アメリカやカナダ、ヨーロッパなどで走る、なんとも風情があって素敵なイメージのトロリーバスが、ここ川崎でも走っていたんです。


川崎市に現存する最後の1両が高津区の公園にあると聞いて、会いにいってきました。

この公園じゃなかった
この公園じゃなかった

人づてに「二子の小さな公園にある」と聞いていただけなので、いまいち住所もわからず…… でもまあ、それほど広いわけでもないし、とにかく歩いてみようとやってきました。

このへんかな、と思ってきた「二子二ヶ領公園」あたりには、その姿は見えず。。

まさに秋晴れ!
まさに秋晴れ!

それでもこのいいお天気!

見てくださいよ、この青空。
思いっきり青いです。

9月とは言っても、まだまだまだまだ暑い!

しかし、このいいお天気に散歩ができると思えばそれもまたのんびりしていいわけで。へへ。

用水路の柵は魚のデザインだ。
かわいいよね、これ。
用水路の柵は魚のデザインだ。
かわいいよね、これ。
バスの場所を聞いたけど「配達じゃないからわからない、ごめんなさい」と去っていった郵便やさん。
お仕事中お邪魔してすいませんでした。
バスの場所を聞いたけど「配達じゃないからわからない、ごめんなさい」と去っていった郵便やさん。
お仕事中お邪魔してすいませんでした。
川崎市にトロリーバスが走っていたのは、昭和26年から42年のたった16年間。
決して「長い」とは言えない年数ですが、戦後の日本の躍進にはかなり貢献していたはず! 早くその姿を見たいぞ!

と思いながら、木の棒なんかを持って水路沿いに歩いてたら、もしやと思われる緑道がありました。
このへんを歩いてれば、見つかるかな?
このへんを歩いてれば、見つかるかな?
緑道の中にあった小さな休憩所らしきもの。
日陰がちょっとうれしかった。
緑道の中にあった小さな休憩所らしきもの。
日陰がちょっとうれしかった。

緑道を散歩中の、お母さんと子供たちのグループに、トロリーバスのことを聞いてみたところ、


「ああ、もしかして、あの『お化けバス』のこと?」


いや、お化けバスじゃなくて、トロリーバスなんですけど。

説明されたけど、いまいちわからなくて一度大通りへ出た。ここの曲がり角で左に曲がるらしい。
説明されたけど、いまいちわからなくて一度大通りへ出た。ここの曲がり角で左に曲がるらしい。
この路地をまっすぐいくと、左側に「お化けバス」があるはず…
この路地をまっすぐいくと、左側に「お化けバス」があるはず…
こっそり木に隠れているみたいに見える。
こっそり木に隠れているみたいに見える。

そして、見つけた。


トロリーバス。


トロリーバス。。。お化けバス。。。?

たしかにバスだけど、すごくすごく荒れ果てているような。
たしかにバスだけど、すごくすごく荒れ果てているような。
これはお化けバスといわれても仕方がない、かもしれない。。
これはお化けバスといわれても仕方がない、かもしれない。。
在りし日のりりしい姿。
在りし日のりりしい姿。
期待とはうらはらに、ちょっぴり悲しい姿。
車体は錆びて、窓ガラスは割られ…… ううっ(涙)

それでも、在りし日の大活躍する姿が、車体の窓にいくつも貼られていました。

こうやって大勢の人を乗せてバリバリいわせていた華やかな時代があったんですね! このトロバスにも。。

中は見られないのかなあ?
ドアはあきそうにないし。
穴のあいた窓ガラスから、ちょっと見えるぞ!
穴のあいた窓ガラスから、ちょっと見えるぞ!
カメラのレンズをくっつけてのぞいてみた。
んー、普通のバスだ。
カメラのレンズをくっつけてのぞいてみた。
んー、普通のバスだ。
のぞいてみよう。
のぞいてみよう。
横に回ったら、ドアがこんなことに。

なんだここからのぞけるじゃん!

っていうか、これってこのままでよいのでしょうかね。
「川崎市最後のトロリーバス」。
やっぱりちょっと古い普通のバスだ。
やっぱりちょっと古い普通のバスだ。
広告の場所に、こんなかわいい絵が!
子どもたちがここで楽しく過ごしたこともあったんだろうなぁ。
広告の場所に、こんなかわいい絵が!
子どもたちがここで楽しく過ごしたこともあったんだろうなぁ。
ちゃんと携帯灰皿を持つようにしてくださいね。
ちゃんと携帯灰皿を持つようにしてくださいね。
もちろん動いていないメーター。
もちろん動いていないメーター。
とはいえ、やはりこれは川崎市最後のトロリーバス。
ちゃんと横に説明書きもついていました。

『このバスは、現存する川崎市のトロリーバスの最後の1両です。戦後東日本で初めて走り、昭和42年当時には19両ありました。昭和26年から昭和42年まで川崎駅から水江町まで7.30キロの路線は、同様に川崎駅と臨海部を結んだ市電と共に、川崎市の工業都市の復興に大いに貢献しました。車体中央部から突き出たウサギの耳のような2本のポールが特徴で、道路上に張られた架線から電気をとって走行しました。「トロバス」と呼ばれて市民に親しまれ、満員の「トロバス」が架線とポールの間に火花を跳び散らしながら失踪する姿はまさに躍進する川崎そのものでもありました。』

彼が満員の市民を乗せて、路線を走っている姿を想像しながら、ベンチでペットボトルのお茶を飲んでると、なんだか自分がおばあさんになって、縁側で古いともだちと昔話をしているような気分になってきた。

「あの頃はよかったねえ~」 なんて。
とにかくっ、

とにかく、表彰させてくださいっ!


みんなで大事にしようね。。
みんなで大事にしようね。。