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キラリ輝くものづくり人づくり 平成18年度掲載企業

株式会社ライズインターナショナル

 ライズインターナショナルは地域密着型で在宅介護を中心に居宅介護支援サービス及び訪問介護サービス・介護福祉用品の販売・レンタル、介護用ソフト販売などの事業を幅広く展開している。サービス利用者には食事ひとつをとっても満足のいく“本物のサービス”を提供することを心掛けている。20年以上にわたるサラリーマン生活で培った営業、経理、人事、財務、システムの経験を生かし、1999年に起業。会社を運営する仕組みに精通している菊地康夫社長に、同社の手がける各種介護事業の理念や独自の社内研修制度、自己申告制度、そして今後の事業展開などについて伺った。

トップインタビュー(株式会社ライズインターナショナル 菊地康夫社長)

41歳で会社を起こしてから8年目となりますが、起業に至るきっかけをお聞かせください。

 「北海道出身で高校卒業と同時に上京しました。18歳の時からサラリーマン生活を約23年間続け、営業、総務、経理、人事、財務、システムなど一通りの仕事を経験しました。あとはやったことがない経営者を体験してみたいというのが会社を起こすきっかけだったんです。グローバルな時代ですから『世界を相手にする仕事をしたい』と貿易関係の会社をやりたいと思っていたんです。ただ介護の仕事を始めた以上、『究極のサービス業』である介護とは何であるかということを追求する会社でありたいと考えています。」

現在は多方面に事業を展開していますが、当初の事業はどのようなものから手がけたのでしょうか?

 「介護保険制度が始まる前でしたが、居宅介護支援事業、訪問介護事業、福祉用具のレンタル販売、ソフト開発事業を目的に会社を設立しました。当初は正社員6人、パートのヘルパーさんが6人ぐらいからのスタートでした。」

事業展開でいちばん苦労したのはどのようなことだったのでしょうか?

 「介護事業の特殊性ということからいろいろな所に拠点をつくらなければならず、資金調達にいちばん苦労しましたね。川崎市の創業支援資金の認定を受けて市の信用保証協会から、そして県の信用保証協会から資金を合わせて約2800万円を借り入れました。」

事業が軌道に乗ったのはいつごろだったのしょうか?

 「まだ乗ってはいませんね。1年目よりも2年目、そして3年目と年を増すごとに大変になります。事業を始めた当初は攻めていかなければならず、2年目からは守りながら攻めていかなければなりません。経営者になって初めてわかりましたね。ただ苦労とは思っていません。勉強ですし、自ら選んだ道ですので。」

事業を展開するに当たって他業種との連携・交流を積極的に進めていますね。

 「今は東京トヨペットと武道団体の国際空手道連盟極真会館と連携して事業を進めています。東京トヨペットとの関係では東京・昭島のショールームに介護のための相談コーナーを開設しています。極真会館とは横浜市港北区内の新横浜・極真会館道場を改装して介護サービス事業を行っており、介護予防のトレーニングを実施しています。また、静岡県伊東市内のホテルからはホテルの天然温泉水を分けてもらい、デイサービスセンターで利用者の方々に提供しています。」

他の同業者にはあまり見受けられないケースだと思いますが、それはどのような考えに基づいているのでしょうか?

 「介護事業だからといって介護の方々だけとの付き合いでは広がりがないと思っています。いろいろな分野の人と付き合おうという感覚で仕事をしています。この部分とこの部分をくっつければ新たな仕事を生み出すのではと。社会で認知されているものはすべてビジネスチャンスである、というのが私の考え方です。」

介護事業とは究極的には人が基本だと思いますが、各種サービスを提供するに当たって最も大切にしていることは?

 「基本は利用者の方々が求めていることを適切に提供することです。スタッフにとって必要なのは観察力と洞察力です。利用者が言葉を発する前に体の動きや表情を見て、何を求めているかを察して素早く提供することが大切だと考えています。デイサービスセンターで提供する食事にしても『旬の食材』を活用しながら、例えばみそ汁では関西の料亭で使っている昆布でだしを取り、九州の麦みそを使っています。お米も農家から玄米を買い取り、それを毎日、精米しています。これ等の事は、私にとって介護事業は『究極のサービス業』であると考えているからです。」

今、従業員は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか? また、採用の際にはどのような点を重視しているのでしょうか?

 「従業員は140人から150人の間で推移しています。正社員は43人で、パートが100人ぐらいです。採用時には面接を重視しており、その人を見てやる気があるか、前向きであるかということで判断します。いくらその人の技術力が100%だったとしても、世の中は急激に変化しています。常にチャレンジする姿勢がなければ変化にはついていけなくなりますから。また履歴書を見れば字がきれいか、きたないかでその人の性格もわかります。面接時には相手の目を見ます。目の動き、顔の表情、そして声のトーン。前職では人事も経験していますし、これまでに培った経験から判断します。八割五分の確率で当たりますね。」

従業員への教育、研修はどのように取り組んでいるのでしょうか?

 「研修は正社員に対してもパートに対しても重視しています。パートでは登録ヘルパーには年間11回の研修を義務づけています。研修会には必ず参加しなければならないシステムになっており、参加しなければ時給も上がりません。冠婚葬祭以外は不参加を認めていません。研修内容も多岐にわたっており、技術的な研修はもちろんですが、介護とは人が人に接する仕事ですから人間としてのスキルアップが大切だと考えています。講師陣も多彩で日本女子大学の哲学の先生に講師をお願いした時は『なぜ?』と考える姿勢の大切さを指導していただきました。またANAの関連会社の元キャビンアテンダントには言葉遣いやお茶を出す際の基本ルールなど行動面を学びました。研修開催のためにかながわサイエンスパーク(KSP)の会議室を年間予約で押さえています。正社員の役職者に対しては毎月1回の研修を実施しています。」

社内制度でここは他の事業者とは違うという点はありますか?

 「3年前から実施しているものに役職者の自己申告制度があります。4月1日の時点で当社の社員であれば申告できる制度で、役員会で企画書などを検討し、OKならばその人の求めるポストを1年間任せます。その人の『やってみたい』という前向きな姿勢を引き出すために考えた制度です。さらに決算賞与というものもあります。社内の部門ごとに利益が1000万円出たとしたら、そのうちの10%を賞与に充てるというものです。ただし会社の定めた評価項目3つと自己の目標が一つ。四つで10点満点となりますが、これを役員会にかけて評価した後に最後は社長決済で支給額を決定します。一人ひとりのやる気を引き出すための制度として設けています」

株式公開も視野に入れているとうかがいましたが?

 「それはもう絶対公開しようと思って頑張っています。会社をつくる時に『将来は公開する』と言って応援していただき、出資してもらっていますからね。今後五年以内には何とか公開しようと考えています。」

社員のコメント 業務管理部・粂川孝治さん

ライズインターナショナルに入社して5年目になります。現在は業務管理部というセクションで給与や福祉機器レンタル販売の事務などの仕事に携わっています。入社した時は会社自体がどんどん成長していく過程にあり、私自身も勉強しながら成長していきたいという気持ちを抱きました。上司はそれぞれに特色を持っている人たちが多いですが、中でも菊地社長には「基本に則って物事を進める」という思いを強く感じています。いろいろな目標がある中で、「基本に沿ってどう行動したらよいか。自分たちで行動していかなければならない」ということを常に自問自答しています。当たり前のことなのですが、前の会社では経験しなかったことですね。また、菊地社長からは「物事の本質は何ですか」とよく聞かれますが、基本がなければ応用することはできず、最低限、指示されたことは全うできるよう努力しているところです。こうした基本的な考え方を踏まえ、報告・連絡・相談を徹底していれば、会社の方針に則ったさまざまな自分の提案が実行できる会社だと思います。これからも会社は大きく成長しますが、五年後、十年後を楽しみに私自身も勉強しながら頑張っていきたいと考えています。

【事業内容】

 ●ケアプラン作成などの居宅介護支援サービス
 ●ホームヘルパーによる訪問介護サービス
 ●福祉用具、紙おむつなどの販売・レンタルサービス
 ●介護用ソフトの開発・販売
 ●通所介護
 ●住宅改修

【代表的な業務】

 昨年4月には川崎市多摩区と川崎区にデイサービスセンターである「ライズケアステーション 湯治の森」が相次いでオープンした。ここで提供されるのは本物のサービス。入浴では伊東温泉から直送される天然温泉水を利用。「旬の食材」を活用した心の込もった食事が味わえる。 
外部の講師を招いて、月1回、当社登録ヘルパーの研修会を行っている。食事の出し方、救急救命の仕方、高齢者とのお話の仕方(接遇)を指導している。
【会社概要】

■社 名 株式会社ライズインターナショナル
■設 立 1999年3月16日
■所在地 〒214―0037 
      川崎市多摩区西生田2―6―7
      TEL044(959)2331(代) FAX044(959)2335
■代表者 代表取締役 菊地康夫
■URL     http://www.riseinternational.co.jp
■E-mail rise@riseinternational.co.jp