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キラリ輝くものづくり人づくり 平成18年度掲載企業

東信電気株式会社

 1950年に東京都品川区で創業した東信電気は、川崎に本社を移転してから半世紀近く。2002年には川崎市麻生区栗木のマイコンシティに新社屋が完成している。東信グループとして国内8拠点、海外3拠点を構えてEMS(電子機器などの受託設計開発・製造)事業やネットワーク構築などITコンサルティング事業を幅広く展開している。遠藤俊一社長は「ほれられる会社づくり」を提唱し、社員の夢を募って策定した「ドリームプラン」の実現に向けて邁進している。東信電気における事業展開や人材育成、地域貢献の狙いなどを遠藤俊洋副社長に伺った。

トップインタビュー(東信電気株式会社 遠藤俊洋取締役副社長)

東信電気は川崎に根を下ろした企業として半世紀近くの歴史があります。東信電気と遠藤俊洋副社長の川崎に対する思いをお聞かせください。

 「川崎はわれわれの出発地であり、現在も東信電気のものづくりの拠点として開発と営業部隊があります。東信電気の技術力を生かして自主事業を展開し、東信ブランドの自社製品を川崎に根差した会社が発信していくことで、地域にも貢献していきたいと考えています。」

会社設立は1950年ですが、現在の「東信グループ」は国内外にどのくらいの拠点を展開されているのでしょうか? また、グループ全体の売上高、従業員数は何人でしょうか?

 「ここ麻生区栗木の東信電気の本社のほかに東信システムプロダクト(本社・山梨県)、東信システムサービス(本社・川崎市麻生区)、東信システムハウス(同)、青森東信ソフト(本社・青森県)など国内に8拠点、そして、海外では東信科技香港有限公司、東信科技深セン有限公司など3拠点を構えています。売上高は280億円、従業員数は約1100人になります。」

国内外でどのような事業を展開されているのでしょうか?

 「事業は国内と海外のEMS事業(電子機器などの受託設計開発・製造)、ソリューション事業(ネットワーク構築などITコンサルティング)、エンジニアリング事業(電子機器・通信機器などのハード設計開発やソフト開発など)が四本柱です。過去においては国内EMSが百パーセントでしたが、2004年ぐらいからは4分の1ずつの事業構成になっています。東信電気が企業として56年間、存続できたのは世の中の環境やお客さまの動向に合わせて事業を運営してきたことが最大のポイントだと思います。これからも環境は変わっていくでしょうが、『ものづくりの会社』にこだわっていくと同時にエンジニアリングにも力を入れてやっていきたいと考えています。」

本社フロアには100項目のドリームプラン(100のドリームプラン)が掲げられています。ドリームプラン策定の動機や背景をお聞かせください。またドリームプランの中には、人材育成の観点のものも盛り込まれているのでしょうか?

 「ドリームプランそのものは1990年代の『21世紀ビジョン』までさかのぼります。その時もトップの考えに基づき全員参画で社員からそれぞれの夢を募ってプランを策定しました。しかし、バブル経済の崩壊によって当社の業績も下降しました。1996、97年に事業の再構築を行い、もう1回、新しい世界にチャレンジしようと策定したものです。2010年を目標としており、5つの柱は経営トップが示しましたが、それぞれの夢を出し合い100の新ドリームプランにまとめました。人材育成という観点では『共育制度の充実』『生涯学習支援サービスの導入』『海外留学制度の導入』がありますね。『共育』とは一方通行ではいけない、共に育っていこうという狙いが込められています。」

企業の成長には人材育成が欠かせません。人材育成や社員教育に具体的にはどのように取り組まれているのでしょうか?

 「社員教育では『階層別』と『職種別』に大別されます。『階層別』の中の新入社員教育では、まず入社前に研修施設を借りて5日間の宿泊研修を実施しています。(1)何事にも積極的に行動する(2)規律・ルールを守る(3)連帯感を強める―ことをテーマとしてディスカッションを中心に進めています。入社すると会社ごとに分かれて2週間の集合研修を行います。その時には自分たちの夢を盛り込んだ『コーポレートガイド』いわゆる会社案内をつくってもらいます。完成すると幹部の前でのプレゼンテーションがあります。業務については配属先でのOJTです。OJTの担当者とはコミュニケーションノートのやりとりをしていますが、ノートは毎月1回、経営管理部に上がってきます。私も目を通してコメントを書いたうえで戻しています。」

そのほかの階層別の研修はどのようなものがありますか?

 「課長に上がる時に13日間の合宿研修があります。ここでは外部講師によるマネージャーとしての心の持っていき方などを学んでもらいます。13日間、会社の業務を離れて業務以外のことに没頭してもらいますが、自分自身を見つめ直すよい機会であるととらえています。また、マネージメント研修というものも年に2回、行っています。関係会社を含めて課長以上を集めての研修ですが、テーマはその時その時に選んで実施しています。グループのマネージャー80人が一堂に会することはなかなかありませんし、コミュニケーションを図る良い機会でもあります。」

遠藤俊一社長は「ほれられる会社づくり」を日ごろから唱えられていますね。

 「地域やお客さま、従業員から『ほれられる会社』でありたいという思いです。最も重要なのは従業員の家族から『ほれられる会社』でありたいということです。東信電気は『うちの子どもが、お父さんが、お母さんが勤めている会社』と誇れる会社でありたいと思っているんです。」

「マイコンシティクリーンアップ活動」の展開や小学生卓球教室、地域卓球教室学習といった地域社会貢献活動にも積極的に取り組まれています。これらの活動はどのような考えに基づいて実施されているのでしょうか?

 「根底にはわれわれが育ち、育てられている川崎への思いがあります。企業が貢献する先は社会、従業員、株主と3つありますが、大手企業のようにお金をたくさん使って大がかりなことはできません。川崎の地域でできることから、全員参加型でやっていこうというのがクリーンアップ活動です。また、卓球部は全国レベルの実力のあるチームですが、自分たちの技術を生かして地域のために役立つことができます。」

ドリームプランの進捗状況はいかがでしょうか? 将来を展望して「東信電気」をどのような会社にしていきたいとお考えでしょうか?

 「これまでに47項目、149件を達成しました。これからはハードルが高く、難易度も高くなってきますので踏ん張りどころですね。」

最後に株式公開も視野に入っていますね。

 「企業として、そして従業員としての夢ですから当然ながら公開したいと思っています。ただ、市場のタイミングもあります。公開した時にそれなりの値がつかなければ意味はありません。その前提となるのは業績であり、公開が実現できるようにグループが一丸となって頑張っていきたいと考えています。」

社員のコメント 経営管理部課長・橋爪健一さん

入社以来21年目となりますが、最初の7年半は人事・総務の仕事を担当しました。その後、今年の春に戻ってくるまでの間は営業にいました。会社のイメージをひと言で表すと非常に「風通しがよい」ということです。本社にいる人間は200人ぐらいですが、社長、副社長ともに「○○君、○○さん」という具合に社員に気安く話しかけてくれます。トップから若い年代の人たちまで垣根のない雰囲気があります。「ほれられる会社づくり」についても、そうした理念を実現させるためのトップとしての熱意を強く感じています。一方的に話をするのではなく、私たちの意見にも耳を傾けてくれますので「この会社のトップについていけば問題ない」という感覚です。現在は経営管理部にいますが、管理部門の仕事も入社した時と比べて様変わりしています。コンプライアンスを含めて法的なものを学び、会社の体制整備に役立ちたいと考えています。そのためにも外からの情報を分析して会社に対して提言していくことが必要です。13日間の研修に参加して感じたことは、自分の弱点が見直せた、ということが大きかったです。弱点を知ることによって自分の部下を十分に指導できるようになれました。 

【事業内容】

 ●電子機器・通信機器などの回路設計技術とソフト開発技術によるエンジニアリング
 ●ネットワーク構築から業務アプリケーション・WEBのソリューション
 ●エレクトロニクス関連機器の製造・サービス

【代表的な製品】

サーバ
サーバ
プロジェクタ
プロジェクタ
カードフィーダ
カードフィーダ
2タップACケーブル
2タップACケーブル
【会社概要】

■社 名 東信電気株式会社
■設 立 1950年3月4日
■所在地 〒215‐0033 
      川崎市麻生区栗木2‐6‐7
      TEL044(980)3333 FAX044(980)3133
■代表者 代表取締役社長 遠藤俊一
■URL  http://www.toshin‐et.co.jp