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かわさきマイスター活動レポート

「Buyかわさきフェスティバルinたかつ」

市内の特産・名産品を一堂に、展示即売フェアでアピール

提供:川崎市

浅水屋 甫 さん (職種 広告看板製作)、手書き表札の実演販売で出展

JR武蔵溝ノ口駅改札口前自由通路で開かれた「Buyかわさきフェスティバルinたかつ」名産品フェア。
JR武蔵溝ノ口駅改札口前自由通路で開かれた「Buyかわさきフェスティバルinたかつ」名産品フェア。
6月5日(土)、「Buyかわさきフェスティバルinたかつ」がJR武蔵溝ノ口駅改札口前自由通路とペデストリアンデッキで開かれ、かわさきマイスターの浅水屋 甫さん(広告看板製作)が手描き表札・名札の実演・販売で出展しました。同フェスティバルは、地元川崎で買い物(Buy)をして、川崎の名産品を普及させ、知名度を向上させることを目的とした、「Buyかわさきキャンペーン」の一環として、川崎市と川崎商工会議所が主催し今年で16回目。かわさきマイスターが参加したのは今回が初めてです。
かわさきマイスターの浅水屋 甫さん(広告看板製作)が手描き表札の実演販売を行いました。
かわさきマイスターの浅水屋 甫さん(広告看板製作)が手描き表札の実演販売を行いました。
10月に初めて神奈川県で開催される技能五輪のイメージキャラクター「カモメン」も一生懸命PR
10月に初めて神奈川県で開催される技能五輪のイメージキャラクター「カモメン」も一生懸命PR

川崎の特産・名産品をフェアで紹介・宣伝

即売コーナーには市内の名産品がところ狭しと並べられ、大勢の市民が買い求めていました。
即売コーナーには市内の名産品がところ狭しと並べられ、大勢の市民が買い求めていました。
午前10時から開かれたオープニングセレモニーで阿部孝夫市長が「『Buyかわさきキャンペーン』で市内の優れた名産品を掘り起こし、広く市内外に紹介・宣伝するとともに、こうしたイベントを通じ商工業活性化と川崎市全体のイメージアップにつなげていきたい。出展者の皆さんも積極的にPRして、さらに多くの川崎名産品愛好者を増やしていただきたい」とあいさつ。
その中で、市が優れた技能職者を“匠”として認定する「かわさきマイスター」の中から、きょうは広告看板製作の浅水屋さんが参加し、会場で手書き表札の製作を実演することを紹介しました。
続いてあいさつに立った川崎商工会議所 西岡浩史会頭も「出展者の皆さんは、この機会に川崎にはこのような名産品がいっぱいあることを大いにアピールしていただきたい」とスピーチしました。
珍しい手書き表札の実演に多くの人が足を止め見入っていました。
珍しい手書き表札の実演に多くの人が足を止め見入っていました。
会場には午前10時のオープニング前から、ノボリや看板を立て自慢の商品を片手に大声で呼び込む出展者らの熱気に吸い寄せられるように続々と市民が集まり、午後5時の終了まで終日にぎわいました。会場の一角に設けた浅水屋さんの手書き表札実演・販売コーナーにも、珍しい手書き文字の実演とあってフェアが始まる前から多くの人が足を止め、浅水屋さんの筆使いに見入ったり、早々と注文する姿が見られました。

文字の生きた魅力を手書きで表現

浅水屋さん昔ながらの味わい深い手書きの看板・広告制作の技法を極めた匠です。
浅水屋さん昔ながらの味わい深い手書きの看板・広告制作の技法を極めた匠です。
浅水屋さんは昔ながらの味わい深い手書きの看板・広告制作の技法を極めた技能者です。「文字が生きている感じは、手書きでしか出せないです」と、デジタル制作が主流となった今も、パソコンでは表現が難しい、流れるような絶妙にバランスのとれた文字配置を技と勘で実現しています。

北米産のヒバの白木を素材に

一字一字を丁寧に、しかし筆さばきは早く、白木の板に書き上げていきます。
一字一字を丁寧に、しかし筆さばきは早く、白木の板に書き上げていきます。
浅水屋さんがこの日、表札・名札の素材に用意したのは北米大陸を主な産地とする米(べい)ヒバの白木板。米ヒバはヒノキの一種ですが、水に強く腐りにくく、シロアリに対しても強い抵抗力を持った貴重な木材です。木目が非常になめらかで美しく、耐久性にも優れています。外気にさらされる表札にはぴったりの素材です。

浅水屋さんは姓名など表札に書き込む注文の字句が書かれた紙を見ながら、黒色のアクリル系水性塗料に筆を浸し白木の板に一字一字丁寧に書き始めます。浅水屋さんは筆さばきの速いことでも有名で、この種の表札だと1枚当たり10分位で書き上げます。書き上がると艶出しのクリア(エナメルスプレー)をかけ乾燥させます。周りで見物している人たちから「わぁ~、きれいな字! しかも書くの早~い!!」と歓声があがります。クリアをかけ乾燥する時間を含め1枚、大体30分位で完成します。

後継者の娘さんもお手伝い

浅水屋さんの後継者である娘の美枝さんもお客さんに笑顔で対応しながらお手伝い。
浅水屋さんの後継者である娘の美枝さんもお客さんに笑顔で対応しながらお手伝い。
この日は、浅水屋さんの後継者である娘の美枝さんもお手伝いで参加。注文された表札の手書き作業に忙しいお父さんに代わって、お客さんとの対応などに追われていました。美枝さんは幼い頃から父親の仕事ぶりを見て育ち、見よう見真似で技術を覚えるなど早くから広告看板製作に興味を持っていました。デザイン専門学校に進み、1級技能士、屋外広告士の資格を取得。今は、お父さんと一緒に多忙な仕事をこなしながら、浅水屋カンバン店を切り盛りしています。
急ぐお客さんには、陽の当たる場所で文字を乾かします。
急ぐお客さんには、陽の当たる場所で文字を乾かします。
イベントでは、お客さんの都合によって短時間で注文されたものを渡さなければならない場合もあるので、文字を早く乾かすためにヘアードライヤーを使うこともあるそうです。しかし、この日は自然乾燥。幸い天気がよかったので急ぐお客さんには美枝さんが書き上がった表札を会場外の陽の当たる場所に出して乾していました。

お客さんから注文殺到、午前中に完売

マイスターのコーナーには、手書き表札を注文するお客さんがひっきりなしに訪れました。
マイスターのコーナーには、手書き表札を注文するお客さんがひっきりなしに訪れました。
注文して書き上がった表札を手に、年配の主婦は「木の香りがとてもいいし、すてきな字で大変満足しています。普通はなかなかこの値段ではやっていただけませんものね。帰ったら主人がきっと喜んでくれると思います。機会があったら今度また、書いてもらいたいですわ」と語っていました。また、きょうだい同士の家族連れで来ていた若い主婦は「一緒に来た姪たち2人の名前と生年月日を書いてもらいました。こんなにきれいな字で書かれた名札は初めて」とうれしそうに話していました。ちなみに表札1枚の揮毫代は格安の1,500円でした。
姪二人の名前を書いてもらいました。
姪二人の名前を書いてもらいました。
ほら、できたわよ。
ほら、できたわよ。
わたしの名前、お雛さんと一緒に飾ります。
わたしの名前、お雛さんと一緒に飾ります。
子どもや孫の誕生、初節句のお祝いなどに、わざわざ浅水屋さんによる手書きの名札を注文する人もいるそうです。白木に墨痕鮮やかな文字がいつまでも記念として残るからでしょうか、先ほどの若い主婦も「姪たちのお雛祭りに、壇の上に立て人形と並べて飾ってもらいます」と言っていました。
 
この日、浅水屋さんは20枚ほどの板を用意してきましたが、午前中にほぼ予定数の注文に達してしまいました。午後1時ごろに立ち寄ったお客さんは「えっ、もう完売ですか。せっかく書いてもらおうと思って来たのに…」と残念がっていました。

自慢の商品、ワゴンに満載。声を張り上げ売り込み合戦

地元産の新鮮野菜は飛ぶように売れました。
地元産の新鮮野菜は飛ぶように売れました。
一方、地元の特産・名産品がずらりと並んだ展示即売コーナーでは、20を超す事業所が用意したワゴンに自慢の商品を並べ、午後5時のフェア終了まで声を張り上げ売り込み合戦を繰り広げていました。和菓子、洋菓子、まんじゅう、甘納豆、飴、茶、野菜、花、地酒、塩、石鹸、装飾品など盛りだくさんの食料品、日用品が出品されていました。中でも新鮮野菜が人気で、こちらも午前中に売り切れてしまいました。
また、特設ステージでは川崎にゆかりのある音楽グループのパフォーマンスショーやスポーツ選手によるトークショーが行なわれました。中でも市内の小、中学生グループによる躍動的なダンスショーに見物客から大きな拍手が送られていました。一方、JR、東急両駅を結ぶペデストリアンデッキでは女性グループによる豪快な和太鼓の演奏が披露され、行き来する歩行者の足を止めていました。
元気な地元小学生のダンスショーに観客から大きな拍手が送られました。
元気な地元小学生のダンスショーに観客から大きな拍手が送られました。
ちびっ子たちは川崎フロンターレ「ふろん太」くんに夢中。
ちびっ子たちは川崎フロンターレ「ふろん太」くんに夢中。
歌のお姉さんと一緒に歌いました。
歌のお姉さんと一緒に歌いました。
ペデストリアンデッキでは、迫力ある和太鼓の演奏に市民が足を止め聞き入っていました。
ペデストリアンデッキでは、迫力ある和太鼓の演奏に市民が足を止め聞き入っていました。

かわさきマイスターとは?

平成16年度にかわさきマイスターに認定された浅水屋 甫さん。匠の技を紹介するイベントに積極的に参加して、手書き表札製作の極意を披露しています。
平成16年度にかわさきマイスターに認定された浅水屋 甫さん。匠の技を紹介するイベントに積極的に参加して、手書き表札製作の極意を披露しています。
川崎市では、極めて優れた技術・技能を持っており、市民生活を支える現役の技術・技能職者を「かわさきマイスター」として認定し、卓越した「匠」の技術の錬磨、その技の次代への継承などの活動を支援しています。

かわさきマイスターについては「職人に学ぶ」のページで詳しく紹介しています。
 
■浅水屋さんのお店は
浅水屋カンバン店
川崎市幸区南加瀬3-38-40
電話: 044-588-9307
FAX: 044-599-0014