地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、川崎の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

川崎の地域情報サイト「まいぷれ」

かわさきマイスター活動レポート

川崎市最高峰の匠・かわさきマイスターに学ぶ

『子供向け(小学校3年生以上)夏休みものづくり体験教室』を開催!!

提供:川崎市

「洋服リメイク」「銀の手作りストラップ」「自由な生け花」…マイスターに学ぶ3つの教室

 夏休みも終わりに近い8月22日(月)、てくのかわさきにて「川崎市最高峰の匠・かわさきマイスターに学ぶ 子ども向け(小学校3年生以上)夏休みものづくり体験教室」が、川崎市等の主催により開催されました。

 かわさきマイスターに認定されている方々を講師に迎え、「洋服リメイク教室」、「銀の手作りストラップ教室」「自由な生け花教室」の3つの教室が開かれ、各教室ともたくさんの子ども達が参加し、ものづくりの楽しさを体験しました。

■洋服リメイク教室・講師:石塚よし子さん

今回、洋服リメイク教室の講師を務めてくださった「かわさきマイスター」の石塚よし子さん。
今回、洋服リメイク教室の講師を務めてくださった「かわさきマイスター」の石塚よし子さん。
 午前の部(10:00~12:00)、午後の部(13:00~15:00)の2回行われた「洋服リメイク教室」(参加費用/500円)では、洋裁技能士の石塚よし子さんによる、着なくなった服などを再利用して小物(ポーチ)を作りました。

 教室は、石塚さんをはじめ、川崎市洋装組合から4名の方々が助っ人に入り、子ども達の指導にあたりました。

 小さくなって着られない洋服や不要になった布とファスナーなどを持参した子どもたちは、まず型紙を使って布をサイズ通りに裁断。その次に、裁断した布を丁寧にアイロンがけをして、ほつれやすくなった部分にロックミシンをかけました。熱くなっているアイロンでケガをしないよう、気をつけながらポーチの出し入れする部分にファスナーをつけ、両サイドを縫って完成させる、という一連の作業を1時間ほどかけて行いました。
参加した子ども達は、家で不要となっ洋服などを持参。ここから型紙で生地をとります。
参加した子ども達は、家で不要となっ洋服などを持参。ここから型紙で生地をとります。
裁断した生地を丁寧にアイロンがけ。ケガのないよう、やり方を教わって慎重に作業。
裁断した生地を丁寧にアイロンがけ。ケガのないよう、やり方を教わって慎重に作業。
サポートに入ってくださった川崎市洋装組合の方に手ほどきを受けつつ、慣れてきたらロックミシンも自分でトライ。
サポートに入ってくださった川崎市洋装組合の方に手ほどきを受けつつ、慣れてきたらロックミシンも自分でトライ。
「布を裁断するときはまず最初に大まかに切ってしまいます。これを“粗断ち(あらだち)”って言うのよ」

「ミシンをかけるときは、アイロンもいいけれどこうして布を爪でしごいて“爪アイロン”をかけると簡単で作業がしやすくなるの」

 マイスターならではの丁寧なレクチャーと流れるような手際の良さに子どもたちも興味津々で耳を傾けていました。

 最初はケガのないよう、先生方が見本となってアイロンやミシンの作業を行っていましたが、一つポーチが完成すると、達成感と満足感で子ども達のテンションもどんどん上がり、

「これなら筆箱も作れるかも!」
「ここにリボンをつけてもっと可愛くしたい!」

…など、創作意欲がどんどん湧いて、積極的に自分でアイロンやミシンがけの作業に入る子も…。みんな時間いっぱい作業を楽しみました。
【石塚よし子(いしづか・よしこ)さんプロフィール】
洋裁技能士として平成18年度に認定されたかわさきマイスター。
神奈川県内でも10数名しかない厚生労働省認定の国家資格となる「婦人子供服製造技能士」としては最高クラスに位置する「特級」資格を持ち、着る人の心を満たす服をオーダーメードで仕上げる達人。シルクのような薄く柔らかな素材は、加工が難しいとされていますが、そうした素材の性質を巧みに活かし、様々な工夫を可能する高度な技術を持つマイスターです。
■石塚さんの詳しい紹介ページはこちら

【石塚さんの連絡先】
平間洋装店
■所在地   幸区下平間151
■電話    044-522-1604

■銀の手作りストラップ教室・講師:久保田宗孝さん

テクニックが必要な細かな部分は久保田さんがお手伝い。作業をしながらコツを教わったり和やかな教室です。
テクニックが必要な細かな部分は久保田さんがお手伝い。作業をしながらコツを教わったり和やかな教室です。
 午前10時~午後3時にわたって行われた「銀の手作りストラップ教室」(参加費用/2,000円)では、デザイン彫金士の久保田宗孝さんによる、銀を加工して作る手作りストラップを作成しました。

 当初、子ども達だけの参加でしたが、付き添いで同席していた保護者の方の一人が「(私も)参加してもいいですか?」と声をあげると、同席していた他の保護者の方も次々に参加を希望し、久保田さんも快く承諾。子ども達も保護者の方と一緒に作業を楽しむこととなりました。

 作業は、最初に紙でデザインを描くことからスタート。出来上がったデザインは、参加者それぞれのイニシャルが刻まれた銀の板に描き写し、その形に金属を切る特別なハサミを使い板を切り、ヤスリで形を整えます。板を切る作業で難しいところは久保田さんに切ってもらったり、ヤスリがけの作業の際には「ヤスリは押すときに削れるんだよ。引いても削れないよ」と久保田さんから子ども達にアドバイス。何気ない作業一つひとつにもコツや意味があることを教わりました。
ハンマーと金床を使う刻印を打つ作業。しっかりと手元を見つめる参加者の皆さん。
ハンマーと金床を使う刻印を打つ作業。しっかりと手元を見つめる参加者の皆さん。
バーナーを使った丸カン付け。赤い炎から青い炎へ自在にバーナーを調節する久保田さんのレクチャーに子ども達ばかりでなく、大人の皆さんも興味津々。
バーナーを使った丸カン付け。赤い炎から青い炎へ自在にバーナーを調節する久保田さんのレクチャーに子ども達ばかりでなく、大人の皆さんも興味津々。
出来上がった銀のストラップ。磨いてピカピカをキープするのもよし。磨かずに年月を経て味わいを深めるのもよし。この夏、世界に1つだけの大切な大切な宝物が出来ました。
出来上がった銀のストラップ。磨いてピカピカをキープするのもよし。磨かずに年月を経て味わいを深めるのもよし。この夏、世界に1つだけの大切な大切な宝物が出来ました。
 下地が出来上がると、今度は銀板に文字や数字の刻印を打つ作業。金床の上でハンマーを使って刻印を打つ音が教室中に響きます。上手に打てた時にはとても良い音がするので、子どもも大人も夢中で楽しみました。刻印が終わると久保田さんに穴を開けてもらい、表面を紙ヤスリで滑らかにした後、バーナーを使って丸カンのロウ付けを行う工程へ。銀の溶ける温度は約970度。初めてバーナーを扱う緊張感と、勢いよくバーナーから出る炎を見て、子どもはもちろん、大人も少々腰が引けます。
「火が怖いのは、酸素が入ってから。赤い炎のときは大丈夫。でも青い炎になったら気をつけなくちゃいけないんだよ」みんなの緊張をほぐすように久保田さんはレクチャーします。仕組みがわかった子ども達も恐る恐るバーナーを使ってロウ付け作業。怖い分、作業が終わったときの達成感や満足感は格別です。バーナーで丸カンをつけ終わると、作業もいよいよ大詰め。「バフ」というグラインダーで最後の仕上げで銀の板を磨き上げ、ピカピカにして完成です。

 出来上がった作品は、アニメ「ワンピース」をイメージしたドクロや、猫、四葉のクローバーなど、それぞれが想いがこもったデザインばかりで、一人ひとりが大満足。「良い経験をさせて頂きました」「楽しかった!!」という声があちこちからあがり、夏休みの思い出深い時間となりました。
【久保田宗孝(くぼた・むねたか)さんプロフィール】
デザイン彫金士として平成21年度に認定されたかわさきマイスター。
金属の特徴や性質を熟知しているからこそ可能な地金作りから全ての工程を一人で完成させるマイスターです。デザイン性が要求されるオブジェの制作、高度な知識と技術が必要とされるアンティークジュエリーや時計の修理・復元も手がけるなど、常に技術を高めることに力を注ぐ彫金界のオールラウンドマイスターです。

■久保田さんの詳しい紹介ページはこちら

【久保田さんの連絡先】
有限会社 ジュエリークボタ
■所在地      川崎区大島2-12-5
■電話    044-246-0071

■自由な生け花教室・講師:吉田義一さん

「上手に出来てるね!ここをもうちょっとこうしてみるとお花がしっかり長持ちするよ」…子ども達一人ひとりに笑顔で接する吉田さん。
「上手に出来てるね!ここをもうちょっとこうしてみるとお花がしっかり長持ちするよ」…子ども達一人ひとりに笑顔で接する吉田さん。
 午前の部(10:00~12:00)、午後の部(13:00~15:00)の2回行われた「自由な生け花教室」(参加費用/300円)では、農業(花卉生産)の吉田義一さんによる、子ども達の感性に合わせ、自由に花を生けてもらう生け花教室が開催されました。

 ほとんどの流派の生け花を生けたことがある吉田さんは、花卉生産農業を営むマイスター。銀座にある一流デパートのメインのウィンドウに何度か花を生けたこともあり、ご自身で育てた美しい花をさらに美しく魅せる技も持つ、まさに「花」のエキスパートです。そんな吉田さんが今回、子ども達に伝えたのは

「自由に好きなように生ける。あえて指示はしません」

 …の一言。その言葉をスタートに、子ども達の創造性を尊重し“自由”に生ける、まさに「自由な生け花教室」が始まりました。
見事な花々は吉田さんが丹精込めて育てたもの。冬場の枝折物がメインですが、夏は今回の様な花も生産しています。
見事な花々は吉田さんが丹精込めて育てたもの。冬場の枝折物がメインですが、夏は今回の様な花も生産しています。
子ども達が選んだお花を手渡す吉田さん。生き生きとしたたくさんのお花に囲まれて子どもも大人も自然と笑顔がほころびます。
子ども達が選んだお花を手渡す吉田さん。生き生きとしたたくさんのお花に囲まれて子どもも大人も自然と笑顔がほころびます。
姉弟、兄妹など参加する子ども達も多く、そこに見学で同席していたお母さんやお父さんも加わって家族で仲良く生け花を楽しみました。笑顔や笑い声が絶えず教室内に響いていました。
姉弟、兄妹など参加する子ども達も多く、そこに見学で同席していたお母さんやお父さんも加わって家族で仲良く生け花を楽しみました。笑顔や笑い声が絶えず教室内に響いていました。
 教室に持ち込まれたリンドウやユリ、ケイトーなど色とりどり用意された花々は全て吉田さんが育てたもの。この花を子ども達の好みに応じて、吉田さんが取り分けて渡し、事前に用意された花器に生けていきます。お花は何度もらってもOK。鮮度がよく、発色もよい花々に創造力がかきたてられ、色々なお花をもらいに来ては、自分の花器にどんどん生けていく子もたくさんいました。

 始まってからすぐ、子ども達の姿を見守っていた保護者の方々にも参加していただくこととなり、大人も子どももみんな一緒に楽しく花を生けることになりました。吉田さんは各テーブルを見て回りながら、子ども達はもちろん、大人達一人ひとりにも声をかけて、悩んでいる子にはちょっとしたアドバイスをしたり、「この色をここに置くなんて素晴らしい感性!!」「この花の存在感が上手に生かされていて全体をうまくまとめていますね。美しい!!」など、それぞれの作品の良さを伝えていきました。自分の作品を気持ちよく褒められて、子どもも大人もとても嬉しそうでした。

 和やかな時間はあっという間に過ぎ、それぞれの生け花作品が完成しました。参加者した保護者からは「先生のお人柄が良いので楽しめました。参加してよかったです」との声が上がるなど、とても充実した笑顔の教室となりました。
【吉田義一(よしだ・よしかず)さんプロフィール】
農業(花卉生産)者として平成21年度に認定されたかわさきマイスター。
庭木やひな祭りで飾られることで知られている桃の品種「ハナモモ」を中心とした枝折(しおり)物の栽培に専念するマイスター。手作業も多くこれまで重労働といわれていた枝折作業の効率化を行い、生産量拡大に大きく貢献。その技術と才能は、全国でも高い評価を受け、全国で28名、神奈川県では唯一となる「農業技術の匠」としての認定も受けています。

■吉田さんの詳しい紹介ページはこちら

【吉田さんの連絡先】
吉忠(よしちゅう)

■所在地   川崎市宮前区馬絹1761
■電話    044-866-335

川崎市生活文化会館 てくのかわさき

てくのかわさきは、技能職者が技術を磨き、市民が多目的に利用し、技能職者と市民が、親しく交流する施設として開設されました。
「てくのかわさき」は、一般公募によりいただいた愛称で、それぞれ「て=手(芸)」「く=工(芸)」「の=能(技)」を表しています。


■住所     川崎市高津区溝口1-6-10
■電話番号   044-812-1090
■FAX      044-812-1117
■ホームページ http://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/tekuno.html