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かわさきマイスター活動レポート

第33回川崎市民祭り「かわさきマイスター」取材レポ

平日にも関わらず大盛況の会場

マシニング加工及び各種切削加工やアルミ材切削及び設計加工など、様々な業種の製品に対応できる部品加工製作のプロ集団からなる(株)クレール(川崎市藤崎)からは、2名のマイスターが選ばれています。

プレス順送 金型設計製作 大橋昭夫さん

穏やかに抱負を語る大橋昭夫さん。
穏やかに抱負を語る大橋昭夫さん。
仕事を始めて40年の現在(株)クレール技術顧問の大橋さんの仕事は、一般的にはプレスや板金と呼ばれますが、製品図をもらい金型設計をして部品を製作していくもので、これは、一枚の平らな板からしごいて筒のようにして部品を作る「順送」による「しぼり」です。
大橋さんの設計・製作によるプレス絞り加工器は、上品で芸術的としかいいようがありません。
大橋さんの設計・製作によるプレス絞り加工器は、上品で芸術的としかいいようがありません。
大橋さんは、このプレス順送の全工程を一個の金型に組み込んで1台のプレス機で製品を仕上げます。大橋さんは、展示品の丁寧な説明して下さったあと、「これからも世の中に新しいものを紹介していきたいです」と穏やかに抱負を語ってくださいました。大橋さんから創意工夫を手がける人のゆったりとした姿勢を学びました。

★大橋さんの詳しい紹介はコチラ

平賀 正明さん (生産システム(加工・組立)の設計・製作)

高度な製品を同一・大量に作るために平賀正明さんの生産システムの設計・製作の技術は欠かせません。
高度な製品を同一・大量に作るために平賀正明さんの生産システムの設計・製作の技術は欠かせません。
顧客から注文を受けた製品を生産ラインに乗せる際、注文先からの図面を見て、より効率的に生産できる冶工具や自動機を作る必要があります。平賀さんは、そういった治工具製作に携わっているマイスターです。平賀さんのブースには、アルミ押し出し材を加工して作られたコピーの構造部品のサンプルが展示され、平賀さんの専門的な創意工夫が感じられました。
来場者に展示品の説明をする平賀正明さん。親切で穏やかな人柄が滲みでています。
来場者に展示品の説明をする平賀正明さん。親切で穏やかな人柄が滲みでています。
そして、ブースを訪れた一人一人に丁寧に説明していました。「マイスターは会社の社長の推薦で平成20年になりました。展示品は、アルミ押し出し材を加工したものですが、アルミは軽くて、形状も美しく処理がいらない材料です。より多くの人に自分の仕事を解ってもらいたいですね」。と、話してくれました。

★平賀さんの詳しい紹介はコチラ

田中 司好さん (食品サンプル)

食品サンプルマイスター 田中司好さんの作品。リアルな出来ばえ。
食品サンプルマイスター 田中司好さんの作品。リアルな出来ばえ。
今回、田中さんは会場には来られませんでしたが、田中さんの食品サンプルが展示されました。大根おろしとレモンが付いた焼き秋刀魚や、ステーキ肉や、ハンバーグステーキや、アイスクリームなど、どれも本物と見まごうばかり、いや本物以上かも。秋刀魚は、どうぞ食べてねと言わんばかりです。田中さんは当日会場に見えませんでしたが、正確な表現力で作られた展示品が田中さんの感性を物語っています。

円筒研削技能士 竹内三郎さん

竹内さんは、円筒研削盤を使い、コバルトなどの超硬合金を公差±0.001ミリ以内に加工する技能を保持するマイスターです。自動車や電子機器、工具などの生産に必要不可欠な精密部品を加工します。竹内さんも会場には来られませんでしたが、ブースには、スーパーコンピュータの基盤(縦横約40センチ)と共に、竹内さんが作った10万基分の極小の穴を加工する90ミクロンという超硬合金の超微細ピンが展示されました。芸術的とも思える繊細な先端に、竹内さんの達人の技が見られます。

ブースを紹介するマイスターの看板
ブースを紹介するマイスターの看板
さて、川崎市民祭りは、翌日10月30日と31日も予定されていましたが、残念ながら台風の影響で中止となってしまいました。1日だけでしたが、初めての取材、そしてマイスターさん達との初めての出会いに感激しました。長年1つのことに打ち込み、こつこつと取り組んでこられたその謙虚な姿勢に頭が下がりました。そして、皆さん、未来志向の方ばかり。またお会いするのを楽しみに。