かわさきマイスター活動レポート
かわさきマイスター・横溝春雄さんによる、本格的な洋菓子
自分だけのクッキーを絞り出そう
一生懸命にバターを混ぜています。
次は、絞りのクッキー2種類、シエルとウィンナーローズを作りましょう。まずボウルに無塩バター（180g）、グラニュー糖（60g）を入れ、ヘラでよくすり混ぜます。無塩バターが手に入らない場合は、市販のバター（有塩）でよいそうです。その場合、塩を加える必要はありません。バターをかきまわすのはかなり力が必要ですが、さすがに男の子ははりきってヘラを使って混ぜていました。
お母さんが混ぜているのをじっと見つめる女の子
生クリーム（45%、30g）にバニラビーンズ（少々）、塩（0.6g）を溶かして、上のボウルに入れて混ぜ、次にほぐした卵白（34g）を混ぜます。有塩バターの場合は、ここで塩を加える必要ありません。
ふるった薄力粉（187g）を加え、まとまるまでヘラで混ぜます。ウィンナーローズの場合は薄力粉を5gだけココアに置き換えます。
上のボウルから菊型の口金を付けた絞り袋に入れ、天板の上に小さく絞り出していきます。シェル（貝）の形でもいいし、ハートの形でもいい、なるべく小さく作る方が良いそうです。男の子のクッキーは個性的なおもしろい形をしています。ウィンナーローズの場合はバラの形をイメージしてみましょう。50～60個分できたら、160度のオーブンに入れ、約15分焼きます。
ユニークな形のシェルになりました。
慎重にウィンナーローズのクッキーを絞り出しています。
親子一緒にシェルクッキーの絞り出し作業中。
こちらも共同作業でウィンナーローズのクッキーを絞ります。
焼き上がったクッキーをジャムでサンドします。
焼き上げたクッキーの中から同じくらいの大きさのもの2枚を選び、杏ジャム（60g）でサンドして、茶漉しした粉糖を軽く振ります。ウィンナーローズの場合はフランボワーズジャム（60g）でサンドします。
お皿に盛って、さあ、出来上がり。ひとつつまんで食べてみると、温かくて、柔らかくて、口の中でとろけました。
横溝マイスターのお話
参加者が試食を楽しんでいる間に、横溝さんにお話を聞きました。
「我々の店『リリエンベルグ』では、ハッピーバード（幸せを運ぶ鳩、希望の鳩）と名付けた焼き菓子を販売させていただき、売り上げは全て、レジを通さず、お客様自身の手で東日本大震災のための救援募金箱に入れていただいております。そこで『リリエンベルグ』出身の全国のパティシエたちにも声をかけて、ハッピーバード運動として続けていきたいと思います」。
待ちに待った試食会、自然に笑顔がこぼれます。
横溝さんが所属する社団法人日本洋菓子協会連合会でもそれにヒントを得て、「希望のハト」義援金活動という、東日本大震災被災者救援活動が始まったそうです。全国の洋菓子店がそれぞれ独自のデザインでハトの形のクッキーを作って販売し、売上金はお客様の手で直接義援金箱に入れていただくとのこと。
今回の親子洋菓子教室も、横溝さんたちの「被災された方のために何か元気づけることをしたい」という熱意と、東京ガス株式会社川崎支店、東京ガスライフバル川崎中原、川崎市の協力にて実現したコラボレーション企画でした。
やんちゃな女の子もこのときばかりは静かでした。
「小さなお子さんたちが参加されるなら、作るお菓子は1点で良かったかもしれませんね。ちょっと時間がかかりすぎましたかね。でも要は楽しく作るということが大事ですから。最終的には楽しく作ることです。『リリエンベルグ』は、食べた人の心が温かく感じてもらえるような、ほのぼのとしたお菓子をめざしています」と横溝さん。
「私が作るケーキより、お母さんが家庭で作った方が結果的においしくなります。家では作りたてが召し上がれますよね。作りたてが実はいちばんおいしいのです」
横溝さんは参加者が作ったケーキを一人一人に手渡しながら、最後にこうおっしゃいました。
「ぜひまた作ってみてください」
横溝シェフを囲んで、参加者全員で記念撮影
参加者からは「久しぶりに楽しい時間を過ごすことができた」との声も。
