これは作業開始の合図になっており、この工場ではクラシック音楽のはじめの部分が流れます。
新聞は多くの人に読まれ、いろんな「きっかけ」になるものです。新聞を見て、商売をしたり、漁に出たり、仕事を決めたり、電話をかけたり、新聞が決まった時刻に、毎日のように発行されることはとても大事なことです。
途中で機械の修理が必要になっても、遅れることはできません。修理１０分、台が止まっても全体で発行遅れは２～３分程度ですむよう、準備は万全にしています。ファンファーレの音を聞いて、作業開始です。

一方で、世の中の動きに応じて、印刷開始時間を変えることもあります。たとえば、野球のナイター試合が伸びたときは、その結果を紙面にのせるため、大事件が起きたときは極力新しい情報を知らせるため、選挙があったときには開票結果を待って、ぎりぎりのタイミングまで印刷時間を遅らせて作業を行います。逆に台風が近づいているときなどは、交通事情を考えて、なるべく早く新聞を発行する工夫もします。

新聞紙を観察して、手早く作業するための小さな工夫を探してみましょう。紙面の一番下の方に、いろんな色の小さな点々がついています。これはカラー・コントロールマークといって、色刷り部分を手早く確認するためのものなのです。
新聞紙の一番下には小さな穴があいています。また、ギザギザがあることにも気がつきましたか。これは新聞印刷のスピードアップに必要なものなのです。なぜでしょう？考えてみてください。