
多摩区では、安心して暮らせる「住まいと住まい方」を実現していくため、地域包括ケアシステムの仕組みの一環として整理収納アドバイザーの方を講師に迎え、月に1回市民講座コラムを掲載します。
子どもが独⽴するなどのライフスタイルの変化や、自宅の老朽化などで、日々の暮らしの管理に困りごとが出てきていませんか?
人生後半の暮らしを快適なものとできるよう、これからのことを一緒に考えてみませんか?
椎名ともこ (ココチプラス代表)
・整理収納アドバイザー1級
・宅地建物取引⼠
先日、キッチン整理のご相談を受け、ご自宅に伺いました。
その方は、以前はご夫婦とお子さん二人の四人家族でしたが、最近、お子さんが独立され、夫婦二人暮らしになっています。「家族構成が変わったので、暮らし全体を見直したい。特にキッチンを整えたい」という思いからのご相談でした。
食器棚を拝見すると、お皿やお茶碗、汁椀などが、それぞれ五客、または四客ずつそろっています。食器がお好きで、これまで少しずつ集めてこられたそうで、そこには家族のくらしを大切にされてきたことが感じられました。
まずは、これからの暮らしを一緒に想像してみました。現在は夫婦二人。日常生活の中で、五客ずつの食器が本当に必要かどうかを考えていきました。
本では、購入時に五客セットが一般的です。そのため、自然と五客、また一枚割れても四客という形で食器がそろっていきます。さらに、お皿も小さいものから大きなもの、小鉢や豆皿、ごはん茶碗、汁椀など種類が多く、気づかないうちに全体の数は増えていきます。いつの間にか、食器棚に入りきらないほどの量になっていました。
そこで今回は、 取り皿一種類だけは五客残し,「日常使いの食器」を基本的にそれぞれ二客ずつ残すことにしました。
いざ作業を始めると、「お客様が来たら困るのでは」と迷いも出てきます。しかし実際には、かしこまった来客はほとんどなく、来るとしても気心の知れた友人が遊びに来る程度です。そのような場面では、必ずしも同じ食器でそろえる必要はありません。種類が違っていても、自分の好みで集めた食器ばかりなので、雰囲気が大きく損なわれることはありません。
また、「実はそれほど好きではない食器」は、この機会に手放すことにしました。
一方で、「使うことはないけれど、思い出のモノとして取っておきたい食器」は、食器棚から出して、箱に入れて別の場所に移動して保管することにしました。
作業が終わって食器棚を眺めながら、「とてもスッキリしている。もともと好きな食器が、もっと素敵になったみたい。大好きな食器棚になった」と、とても喜んでくださいました。
その食器たち、今のあなたの暮らしに本当に必要でしょうか。
一度立ち止まって考えてみると、「好きなモノに囲まれた身軽な暮らし」へと近づいていくかもしれません。