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第20回 株式会社ユニオン産業 森川真彦社長に聞く

ものづくりのまち川崎から生まれたバイオプラスチック「ユニペレ」

2014/12/25

「ユニペレ」は、天然素材を配合した、自然環境にやさしいをエコプラスチックで、株式会社ユニオン産業の主軸となる製品です。川崎ものづくりブランドに認定され、かながわ産業Navi大賞2012 環境(エコ)部門優秀賞も受賞しています。

アンティーク調の椅子が並べられた大きな木のテーブル。ショールームを兼ねたスペースで、株式会社ユニオン産業の森川真彦社長にお話を伺いました。

有機物の配合により、焼却時にCO2を半分に削減

会社創業の経緯を教えてください。

昭和47年2月に設立しました。当初は、プラスチックの成型加工を主軸としており、車の中につけるアクセサリーの製造をし、製造業としてここで営んでいました。
その頃から私には、アイデア商品を手がけて、自分でオリジナル商品を開発して販売していきたいという思いがありました。そこで、アイデア商品のキーホルダーなどを作って、デパートなどで販売していたのです。
しかし、これがなかなか厳しかったので、思い切って商品を持ってカナダまで売り込みに行きました。30年ほど前のことです。そこでカナダの方と知り合い、日本でカナダのものも売ってくれないかというつながりができて、日本にカナダの商品を持ってきて紹介するようになりました。

カナダの商品は日本にはないものだったのですか?

カナダの商品で、トウモロコシを主原料とする生分解性(自然分解)の材料がありました。当時の日本にはまだなかった材料です。私たちはそれを材料にし、ゴルフティーやファイルなどを製造して商品を紹介しました。
しかし、生分解というのは光にあてると1年くらいでボロボロになってしまうもので、また材料を完全に真空にしなければいけないので材料の管理が難しく、日本では浸透しなかったのです。カナダならではの材料だったということです。

そこで私たちは日本で、竹の粉や麦の粉、コーヒーを淹れた後のかす、お茶っ葉など、処分する植物を循環型の素材にしてリサイクルし、有機物を50%以上配合することで、焼却しても有毒ガスが発生しない、CO2を半分に削減する材料を手がけ始めました。そのような材料は、異常気象や温暖化で注目をされてきています。中でも、竹が私たちのメインです。竹は日本人に馴染みが深いものです。江戸時代から笹でおにぎりを包んで鮮度を保つとか、竹に水を入れて抗菌作用があるとか。その竹とその他の有機物を配合することによって、抗菌効果という付加価値が生まれ、力を発揮します。

抗菌効果を極めたバイオプラスチック「ユニペレ」

どのくらいの抗菌効果が期待できるのですか?

無加工の素材でO-157の菌を測定すると、1滴落としたものが24時間後には540万個に増殖します。それに対して私たちの材料では、-0.2という測定値でほとんど菌がつかない。それだけ抗菌性が高く、非常に安心して使える素材です。また、ウィルスも99%寄せ付けない、カビの発生も抑え、食品衛生も通っていますので安心してお使いいただけます。水回りでは、半年経ってもぬめりがつきにくいので、雑菌がわかない素材として、病院でも使っていただいています。
ぬめりについては想定以上の効果があり、半年間ぬめりがつかなかったのです。うちでチワワを飼っていますが、この器でお水をあげたら、こっちばっかりから飲むんですね。雑菌が少ないということで、選ぶのだと思います。
東日本震災以降に特に抗菌という意識が高まって、やっと認知されつつあります。ですので、いろいろな展示会に出て、まずは我々の製品を知っていただくことから始めたいと思っております。

そこまで抗菌効果を高めるには大変なご苦労があったのではないですか?

はい、ここまでのデータをとるのに、試行錯誤を繰り返し、何度も何度もテストをしました。10年以上手をかけて、やっと用途によって触感を変えたり、進化成形をしたり、展開ができるようになりました。エチレンガスを制御する力で、果物や野菜を腐りにくくすることもできます。やっと、という感じです。やっと。
今は核となる素材ができあがったので、それを柱として、枝分かれするように商品を多様化している段階です。福祉・介護の現場、幼稚園などで、抗菌の実力が発揮されているようです。

それが「UNI-PELE(ユニペレ)」ですね?

環境樹脂材料をブランド名として「ユニペレ」と呼び、「環境樹脂UNI‐PELE(ユニペレ)」として商標登録しています。これはバイオプラスチックですね。最近では植物配合という動きになってきていますが、バイオプラスチックにおいてはヨーロッパが先進で、10年も先に進んでいま。いま日本でも開発しつつあり、これからもっと発展して、世界的にも大きな市場になっていくと思います。

さまざまな出会いから、抗菌効果を活かした商品作りを

「ユニペレ」の製品にはどのようなものがありますか?

「ユニペレ」の製品である「ささふし美」というお箸は、デザイナーの先生がデザインしてくださった商品です。
そのほかにもたくさんの製品がありますが、色も模様も豊富で、優しい色が多いのが特徴です。ナチュラルベースの色が多いですね。
色は素材に練り込んで作っています。人気のある色は、エコという意味では原色よりは色味を抑えたものでしょうか。どこで使っても違和感のない色だと思います。

川崎市、市民の方、企業、学生と手をつなく形で、様々な商品を作られているとお聞きしました。

川崎市は製造業の中小企業に、いろいろな出会いを作ってくださいます。それによって、いろいろなお客様や企業とのマッチングが実現しました。

川崎在住の方を中心とするお母さん30人でお弁当箱を作ったり、専修大学のインターンシップでものづくりを考えたり。専修大学の学生がテーブルにくっつくカップを考えたんです。ほかにも専修大学は、パズルやブロックなども考案しています。毎年学生といっしょに新しいものを考えて、完成品まで作っています。

今後もニーズのあるところで、意見交換しながら新しい商品を作っていきたい。他の企業さんが持っている力と、私たちの素材を合わせて新しいものができればと思っています。

商品の数々は企業への販売のみですか?

法人への販売も、小売りもしています。お客様に「どこで買えますか?」と聞かれるので、購入いただける場所を設けています。それがきっかけで、この素材を知っていただければと思っています。横浜にあるシルクセンター地下の直営店「濱族」でも販売をしていますし、川越にも店舗を設けました。またネットショップユニサプライでの販売もあります。テレビで紹介されてから、全国の高齢者の方ににもご興味をいただきました。

「ユニペレ」には抗菌性があるので、世の中のお役に少しでも立てるように、まずはこの素材を知っていただきたいですね。
一般的なABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂の価格が毎年上昇し、私たちの素材と変わらない価格になっています。従来の金型で加工できますので、新たな設備投資をしなくてもお使いいただけます。アウトドアでも抗菌の威力を発揮できると思いますので、使っていただければと思います。

“ジャパン”としてのものづくり。川崎で独自のものづくり。

今までで一番大変だったことはなんですか?

製造業なので、機械を動かすためには常に3~4か月先の注文をさがしていかなくてはならず、厳しい面はありました。その他に開発費なども必要ですから、資金繰りは大変です。しかし日本の技術を大事にしていきたいので、中国からの誘いも断って、“ジャパン”として、この地で作っていきたいと考えています。
徳島や島根の孟宗竹(もうそうだけ)を使っています。竹は発育が早いので、有効活用が見込めます。最終的には川崎の竹を使って、川崎産にこだわってできればと、そこまでなんとかいきたいなと考えています。

HPを見て、こういう商品が欲しい、材料が欲しいという問い合わせをいただくんですね。製造業は海外に行く傾向もありますが、ここ川崎で独自のものを作っていきたい。エコ、環境にいいものを開発していきたいのです。いまやっているのは紙おむつやマスクなど、布で竹繊維の入ったものです。不織布はニーズが高まるので、実現させたいですね。

いままでやりがいを感じた瞬間はどのようなときですか?

ものづくりです。ものができたとき、素材や商品ができたときが、一番うれしいです。どうしようかと色々考えて、長い年月で積み重ねて作り上げているので、やっとできたと喜びもひとしおです。

我々の製品は、50%以上は竹と有機物、残りはPP(ポリプロピレン)48%を入れてつなげて作っています。ABSで抗菌性を出したいという部分で、ABSを配合して作っています。ウレタンや漆も塗れますし、強度もありますので、おもちゃなどにも使えます。そういう今までとは違う使い方を模索中です。

これからも「ユニペレ」を世の中に知っていただいて、少しでも使っていただければと思います。この素材をなんとかみなさんに知っていただける場面を、できるだけたくさん作っていければなと思っています。
ものづくりのまち川崎なので、市民の方に触れる機会を持ち続けたい、もっともっと世の中に知っていただきたい、そういう思いを持っております。

お仕事から離れてリフレッシュするお時間は?

沖縄が好きでよく行くんですよ。沖縄にはなぜ製造業がないのかと、昔から思っていました。沖縄の人と話をしているとき、竹を使って抗菌性がある素材だという話をしたら、沖縄には月桃(げっとう)がどこの家にもあって、畑に敷けば虫が寄ってこない、抗菌性があるということを聞きました。皮膚にぬることもあり、沖縄の人ならみんな知っている、大きな力を持った植物だそうです。
何十年も月桃を研究されている方から話を聞き、なんとか月桃を使って商品を作りたいとおっしゃるので、それで我々の材料に配合しました。それが月桃石鹸トレーです人間国宝・金城次郎さんのお孫さんである金城裕三さんの作品をモチーフにしたデザインです。ヌメリが着きにくく、大腸菌・O-157も寄せ付けない抗菌効果があるそうです。
実は川崎と沖縄は深いつながりがあるそうです。昔沖縄から川崎に人が来て仕事をして、そういうつながりでしょうね。いまも川崎には沖縄の方が多いらしいんですね。そんな不思議なつながりと縁があり、縁結びのようなお話でした。ペレットはいろんな形にできるので、沖縄の月桃を使って、実用性のあるエコなものを作っていきたいと、一生懸命やってます。


ものづくりが楽しい、素晴らしいと強く思ったインタビューでした。森川社長は、「多くの人に知っていただきたい」と繰り返します。素材との出会い、人との出会い、そこから生まれる、人のための商品。ますます広がる世界をお楽しみに。
株式会社ユニオン産業
住所:神奈川県川崎市中原区井田杉山町2-3
TEL:044-755-1107
FAX:044-755-6711
E-mail:union@uni-project.co.jp
ホームページ:http://www.uni-project.co.jp/index.html

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川崎市経済労働局労働雇用部(TEL:044-200-2276)

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