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第41回 バラン飾り切りのある店「江戸すし」 殿

「バラン」をご存知ですか?
そう、お弁当などに彩りを添えるために入っている緑のあれですよ。

そのバランで作った作品を飾っているお寿司屋さんがあると聞いて、早速伺ってきました。

宮前区有馬の「江戸すし」さんです。


あれあれ、いきなりお寿司タイム!?

でへへへ
実は江戸すしさんのご好意で、ランチ(800円)のにぎりをごちそうになっているんです。
「寿司屋に来て寿司を食わねえなんて話、ないだろ?」って(笑)。

ネタの美味さはもちろんだけど、この玉子とかんぴょう巻が絶品!

「かんぴょうの状態によって、煮る時間などを調整しないと、同じ味が出せないんだよ」と、大将。玉子焼は毎日息子さんが焼いているそうです。

あっ、今日はお寿司談義じゃなくて、バランアートのことを教えてもらわないと!
お店に入ると目に飛び込んでくる作品たち。<br>どれも見事です。
お店に入ると目に飛び込んでくる作品たち。
どれも見事です。
お座敷席側にある、かなり大きな作品。<br>一人ずつの表情の微妙な違いが出ています。
お座敷席側にある、かなり大きな作品。
一人ずつの表情の微妙な違いが出ています。
制作したご本人も“いい出来だよね”と言う、「藤娘」。<br>花びらや着物の柄の細かい部分もすばらしい。
制作したご本人も“いい出来だよね”と言う、「藤娘」。
花びらや着物の柄の細かい部分もすばらしい。
どれもこれも、「バラン」とは思えない素晴らしい作品ばかり。
お寿司屋さんがなぜ、このような作品を作るようになったのか、お話を伺いました。
実際に笹で作ったバラン。<br>包丁で切って作るのだそうです。
実際に笹で作ったバラン。
包丁で切って作るのだそうです。
――いつ頃からバランの飾り切りを始めたのですか?

18歳~20代の修行時代です。
そもそも、バラン細工をするというのは、寿司屋の修行の一つです。
バラン(葉蘭)も今ではビニールのものが主ですが、もともと隈笹(くまざさ)が使われていました。隈笹には防腐・殺菌効果があるので、昔から寿司桶に並べる際、仕切りにしたり、下に敷いたりして使うように教えられたんです。
歴史にも詳しいご主人の尾高さん。話していると楽しくて、ついつい時間を忘れてしまいます。<br>安さばかりが魅力じゃない、本当に美味しいものを食べてくれる人が増えてくれる時代が来るといいねぇ。としみじみ。<br>
歴史にも詳しいご主人の尾高さん。話していると楽しくて、ついつい時間を忘れてしまいます。
安さばかりが魅力じゃない、本当に美味しいものを食べてくれる人が増えてくれる時代が来るといいねぇ。としみじみ。
――作品を作ってみようと思ったきっかけは何ですか?

きっかけは、若い頃、渋谷東急でやっていた展覧会を見たことですね。歌麿の版画に感動して、「これをバランで作ってみたい」と思うようになったんです。

やり始めたら面白くなっちゃって、夢中になりましたねぇ。その頃に作った作品は自分でも最高の出来だと思いますよ。
龍の彫り物が素晴らしい落款。
龍の彫り物が素晴らしい落款。
――作品は売らないのですか?

売るために作ったことはないし、自分から売ったこともありません。
ただ、お客様がどうしても欲しいからとお金を置いて行かれたことはありました。
一番印象に残っているのは、わざわざ中国で私のための落款を作ってきてくださったお客様がいたことです。さすがにここまでしてもらったら、お断りできませんよね(笑)

でも、お客様が反応してくれるのはとても嬉しいです。そこから話も広がるし。
のぼり鯉に金太郎がつかまっているこの作品は、ご主人いちばんのお気に入り。鱗のひとつひとつも表現されています。<br>「これはお金積まれても譲りたくない」とのこと。赤い落款も鮮やか。
のぼり鯉に金太郎がつかまっているこの作品は、ご主人いちばんのお気に入り。鱗のひとつひとつも表現されています。
「これはお金積まれても譲りたくない」とのこと。赤い落款も鮮やか。
表彰します!
表彰します!
ここ宮前区に店を構えてからは、新しい作品から離れていたという尾崎さんですが、最近また少しずつ作り始めているのだとか。

これからも、美味しいお寿司と素晴らしい作品をどんどん世に出していってほしいですね。
江戸すし
電話:044-853-2267
川崎市宮前区有馬5-1-1 伊藤レジデンス1階

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