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キラリ輝くものづくり人づくり 平成17年度掲載企業

株式会社アクト

トップインタビュー(株式会社アクト 常務取締役 清水 孝悦さん)

ミューフィットジャパンはスクリーン印刷技術を活用した車両・店舗マーキングや各種ステッカーなどのサイン・コミュニケーション・サポート事業を展開している。大手物流業の車両ステッカーや全国展開するコンビニエンスストアの店舗マーキングなどに採用。町の至る所でアクトの仕事を目にすることが出来る。水準の高い制作技術は従業員の半数近くを占める女性陣に支えられ、デザインから制作、施工までの一貫体制が特徴だ。主婦パートや契約社員の積極的な社員登用などフレキシブルな人材活用法を清水孝悦常務に伺った。

サイン・コミュニケーション・サポート事業とはどういうビジネスですか。

 「車両や機器などのマーキングや店舗などの各種サイン、ステッカーの提供です。スクリーン印刷をコア技術にしてデザイン作成、製作、施工、デザイン展開へと結びつけていきます。スクリーン印刷の特徴は屋外サインでの耐久性。通常の印刷インクでは紫外線への耐光性が乏しいのに比べ、光に強い特性を生かし多方面で採用が進んでいます。ユニークな例としては日本テレビの24時間テレビのロゴマークで当社が採用されました。沖縄で実施した退色性試験で認められ、(募金で購入した)介護用自動車に貼っている24時間テレビのステッカーはすべて当社が手掛けたものです」

従来のスクリーン印刷以外にも新規商品による市場開拓に力を入れているようですね。

「粘着性フィルム『μ(ミュー)・フィット』はその一つです。のりなどの粘着剤を使わずに繰り返し貼ってはがせる機能が特徴です。単に貼るだけなので施工時間は短縮できるほか、ショーケースに使っても貼り跡が残らないなどの利点があります。各種看板や店舗装飾、ポスター、ポップなど用途は広く、期待しているところです」

デザイン、印刷というと独創的なアイデア、繊細な作業というイメージがあります。採用の際にはそういう能力を求めたリクルート活動を進めているんでしょうか。

 「芸術関係の学校や学部を卒業されて来る方もいますが、多くは初めてスクリーン印刷に出会ったというケースです。それでも即現場に出して1~2年で育てるようにしています。むしろそうした能力よりも社会人としての常識やチームワークを重視してます。ただ、デザインや製作に関して言えばやはり細かい作業が多いのでその面で女性の方がうまいという点はあります。実際、従業員(パート、派遣社員なども含む)120人のうち4割以上が女性を占めていることはその現れでしょう」

確かに社内に女性の姿が目立ちますね。

 「採用に関して男女の差はつけていません。営業にも女性はいますし、施工に配属することもあります。昇進に関してもすでに女性のマネジャーも生まれるなど活躍は目立ちます。またパートやアルバイトで本社(川崎市高津区)周辺の主婦などが以前から来てもらっていて大変助かっています。今はみなさんパソコンもこなせるし、優秀な人も多い。当社では会社の規模の小さかった時代からパートは貴重な戦力で、職場環境はできるだけ配慮してきたつもりです。子供の送り迎えや家事がしやすいように就業時間を工夫し、送迎も行ってきました。パートの正社員への転換も行っており、子育てを終えてから社員として働いてもらっている人も数人在社してます。そういう意味では地域に助けられて成長してきた企業と言えます。これからもこの地で残って地域の会社としてさらに事業を大きくしていきたいと考えています」

地域のパート社員や契約社員を正社員に転換するような柔軟な人材採用は以前から取り入れているのですか。

 「パートの正社員への転換は20年くらい前から実施しています。現在は従業員全員で査定制度を導入していて契約社員やパートの方である期間働いてA評価を2回とれば資格を得られるようにしています。基本的には正社員も契約社員、パートも同等に考えているので能力のある人は積極的に活用していきたいと考えています」

女性の積極的な活用、パート・契約社員の社員への転換など風通しの良い社風を感じます。

 「確かに家庭的な雰囲気は残っていると思います。創立して20年くらいは全員で旅行に行ったりしていました。今は年4回の社員総参加の行事としてバーベキュー、お花見、忘年会などを行うほか、バレーボールやゴルフといったクラブ活動も盛んで社内コミュニケーションはかなりとれていると思います。これ以外にも社員組織としてES(Empoloyee Satisfaction=従業員満足)委員会を数年前から立ち上げて社員の満足調査も実施して要求を吸い上げる取り組みを始めていて、タテヨコのつながりを強めるようしています」

働きやすい職場づくりに苦心されているようですね。従業員のモチベーションの向上にどのように取り組んでいるのでしょうか。

 「社是に『アクトは全社員のもの。このきずなをしっかり持ち、お互いに成長しよう』ということを明記してます。創立32年ですが、会社は経営者だけのものでない、アクトで働く従業員全員のものだという意識は創業以来ずっと持っています。売上高など経営数字はすべてオープンにし、毎年3月の第1土曜日は年度計画を社内で発表して透明化を図ることを続けています。全社員がひとり一人役割を考え仕事に取り組める環境作りが重要だと考えています」
 「ただ、会社の規模が大きくなるに連れて社内にも専門的な人材が必要になっています。これまでは1人で何役もこなせることが求められてきたが、個々の分野ごとにレベルアップを図るにはスペシャリストを育成することが不可欠で、管理職と専門職を分ける人事制度なども必要になってきます。今後はデザインや経理など本人が行きたい分野を考慮して配置することも行い、ひとり一人が満足して働ける環境、仕組み作りを設けていきます」

創業32年ということで世代交代の時期にもさしかかってきました。

 「数年前から30周年を迎える時期を変革期ととらえ作業に取りかかってきました。次世代へのバトンタッチもその一つで後継者の育成を視野に入れたミドル世代の活用に力を入れ始めています。社是の『アクトは全社員のもの』という通り、当社は方針として縁故採用は一切していません。当然、次の経営陣もすべて社員の中から選ぶことになります。きちんとした新体制を整えることが私たち現経営陣の重要な仕事でもあります。現在は各部門のトップに40歳代を置き中期経営計画の策定に参画させるなど経営の立場から事業計画を手掛ける人材を育て、早く経営を任せられるまでに成長してくれることを期待しています」

社員のコメント 開発担当 前原さん

アクト開発担当の前原と申します。
 私は中途採用でアクトに入社しましたが、μ-フィットを初めて見たのは面接の時でした。「アクトの開発商品としてこういうものを作っているのだが」とμ-フィットを渡されて、のりや磁石ではなく、ミクロ吸盤による吸着という全く新しい発想で貼れるシートだという説明を受けました。自分で触ってみて「これは凄い!」と衝撃を受けました。μ-フィットは粘着シートと違い、日ごろシートを貼ったりすることに縁の無い普通の人がごく簡単に、しかもプロの施工者が貼りつけたかのようにきれいに机や壁に貼れてしまう。しかも、剥がす時にはのりの跡が残ったりせず、何も無かったかのように簡単にきれいに剥がせる。こんなものが今まであっただろうかと思いました。「この仕事をやらせてください!」思わず口が動いていました。
 そして現在、アクトの開発としてこのμ-フィットの更なる可能性を引き出すことに全力を注いでいます。例えば今は主に屋内で使う仕様になっているところを屋外でも使えるように改良することなどです。自分の行動ひとつが商品の価値を左右するということで、責任重大ですがやりがいを感じる毎日です。

代表製品

μ(ミュー)・フィット
ミューフィットは粘着剤(糊)の代わりにミクロな穴の吸盤層を持ち、吸着作用で平滑面への密着を可能にしています
「ミクロ吸盤」の力でくり返し貼って剥がせるのりなし吸着新素材!<br>●ミクロな穴が吸着力を発揮<br>●「のり」は一切使ってません<br>
「ミクロ吸盤」の力でくり返し貼って剥がせるのりなし吸着新素材!
●ミクロな穴が吸着力を発揮
●「のり」は一切使ってません

事業内容

■印刷技術を核とするサインコミュニケーションサポート事業

 □営  業・・・コンサルティング・セールス、プランニング
 □デザイン・・・サイン・ディスプレイ、グラフィック・パッケージ
 □製  造・・・スクリーン印刷、デジタルカラーグラフィックシステム、
         カッティングシステム
 □開  発・・・各種オリジナル製品
 □製作/施工・・各種マーキング屋内外サイン
【会社概要】

■社 名 株式会社アクト
■設 立 1974年6月
■所在地 〒213-0032
      神奈川県川崎市高津区久地3-15-3
      TEL 044-833-1191(代) FAX 044-822-1368
■代表者 代表取締役 飯島 英毅
■URL   http://www.act-com.net/
■E-mail  soumu@act-com.jp